詩1 パンティーストッキングを履いた男たち
パンティーストッキングを履いた男たちが隊列を組んで歩いている。
俺はこのパンティーストッキングを履いた男たちの集団を、街で見つけてからかれこれ20分以上つけてきた。
彼らは目星の建物を見つけて、その中に迷いもせずに入っていった。
彼らは、エレベーターに乗るために隊列を組み直す必要があった。
一つしかないエレベーターは彼らにとって小さすぎた。
だから、現在完璧な統率を持って歩いている隊列がどのようにして、その状況を打開するかについて、俺は注目していた。
これまで乱れを見せなかった隊列は、その状況に少しずつ戸惑いを見せ始めた。
どのように隊列を変化させてエレベーターに収まるのか、それとも隊列を切ってエレベーターに入るのか。
一つの有機体として動いていた全体を構成する部分の乱れによって、隊列が瓦解していく様子が見てとれた。
その時、隊列の先頭にいる全裸にパンティーストッキングにベレー帽を被った男が大きな声を上げた。
その瞬間、隊列の動きが止んだ。
そいつは言った
「この中で上の階に俺と共に来れるやつは一人だけだ、、、誰かを今発表する‼︎」
隊列はその運命をすぐに受け入れ、エレベーターホールは緊張した糸のような静寂で包まれた。
「北島‼︎」
動かぬ隊列の上に、一つの拳が突き上がった。
全裸にパンティーストッキングの男が拳を突き上げたまま、エレベーターの前に移動した。
エレベーターホールは依然として静まり返っている。
エレベーターが到着し、ドアが開いた。
ベレー帽を被ったパンティーストッキング男と北島はエレベーターの中に、ゆっくりと進み、ドアが閉じる瞬間に北島は叫んだ
「超気持ちい‼︎」