お米がおいしくないのはやっぱり辛い

コンビニでお弁当を買う機会があった。
ちょっとした非日常なので楽しい。

何にしようか悩んで、大きなシューマイと白米のお弁当を選ぶ。見た目がだいぶシンプルだけど、それがいいなと思った。

楽しみにしていたお昼。
食べてびっくり。

お米が、「おこめ?」って味だった。
言葉にすると難しいんだけど。

まずお箸で取ると、面でそのままとれる。
普通、炊いたご飯ってほぐほぐ取れるのに、面で すっ っと持ち上がる。

口に入れると、ほぐれるんじゃなくて壊れる感じ。
パラパラって言うと炒飯のようなおいしい表現になっちゃうから違うかな。いっそバラバラになる、という感じの方があってる気がする。

噛むと、砂をかむというほどではない、というか砂を味わって噛んだことがない。でも、食べ物を食べる時、砂をかむようなって、こんな感じかなって思うくらい味がない。
コロナ後遺症になった友人が食べ物の味がしなくて、消しゴム食べてるみたいって言っていたけど、こんな感じか、とも思う。

総じて、「僕はいま何を食べているんだろう」と思わされる白米。シューマイが大きくて美味しかったから救われたけど。

お米がすごく高くなったし、価格を抑えるのに企業も必至だよね。しょうがないさ、と受け入れる。

食べ終わって、片付けている時。
「あれ、このお弁当の感じ、知ってる」と思った。

それは、おじさんが幼い頃の記憶。

おじさんは昔のコンビニを知っている。
今みたいに店内があか抜けてなかった。営業時間が長くて、小さくて、品ぞろえの限られたスーパーって印象だった。
何より、お弁当とかおにぎりがおいしくなかった。

ご飯がぼそぼそしてた。
おかずも美味しくなかった。
父親は、あんなもん食べないって言ってた。

味覚って人の記憶と強く結びついてるんだなー。

それに比べて今のコンビニのご飯はホントに美味しくなった。
歴史の中で努力するってすごいことなんだな。

コンビニのお弁当が原料高で昔の味に戻ったのかな。
そう考えると、身の回りのものが色々昔に戻ろうとしている気がする。

バスが減便するとか。
お店が撤退するとか。
安く買えていたものが、昔みたいに高くなるとか。

景気は良く「減速する」と表現されるけど、もしかすると、景気とか国力は低下の先に「戻る」があるのかもしれない。

そんな適当なことを昼下がりに考えてみた。

悔しいから週末は美味しい餃子を作って家族で食べた。



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