報酬改定について
今、障害福祉サービスについての報酬改定の真っ只中です。
まだ具体的な単価は出ていませんが、
ある程度の方向性は示されました。
そんな中で思うこと。
放課後等デイサービスは
前回の報酬改定で区分1,2という分け方をされるようになりました。
ざっくり言うと、
支援の手が多くかかる子どもの延べ利用人数が
全体の50%を超えたら区分1、
超えなければ区分2というものです。
区分2は区分1に比べて単価が安く、
スタッフの加配は区分1は2名までお金が出ますが、
区分2は1名までしか出ません。
これには多くの問題がありました。
そこで、今回は区分については廃止され、
一人ひとりの状態に応じて
“要支援児加算(仮名称)”
“要保護加算(仮名称)”
というものができることになりそうです。
事業所全体の延べ人数というざっくりしすぎている考え方から
一人ひとりに対しての加算という形に変わるという点では
一定の評価ができると考えています。
また、
今まで被虐待児などの要保護児童については、
優先的に受けるように言いながらも
なんの加算の対象でもなく、
むしろ受け入れることで区分分けのための
パーセンテージが下がってしまうという
ものになっていました。
受ける必要性の高い子どもを受け入れたら
事業所の収入が減ってしまう
というおかしな構造になっていました。
それに、身辺自立はできていたとしても、
虐待などを受けた子どもたちは
心の傷をたくさん負っていて
そのケアには多くの手と時間がかかります。
その部分を評価する仕組みが全くないことも
大きな問題でした。
それが今回、
加算という形で支援の必要性を
明確化することになりました。
でも、そこには気になる点が。
要保護児童の保護者の中には、
より慎重な支援を必要とする方もいます。
今回の“要保護加算(仮名称)”が
保護者の手元に届く受給者証の中に明記されれば、
そこがとても気になってしまう保護者もいることでしょう。
この加算について、
保護者も見える形で明記されるのか、されないのか、
明記されるのであればどのようなものになるのか、
この部分についての具体的なものが
今はまだ示されていません。
そのような点に配慮がなされた形になることを
願うばかりです。
もう一つ。
送迎加算については特に今のところ
具体的な変更は示されていません。
現在は自動車での送迎の場合に加算が取れる仕組みです。
私たちのところは、
公共交通機関を利用して可能な範囲で送迎を行っています。
子どもたちが社会に出るまでに
公共交通機関を利用する経験を積むこと、
将来的な余暇につながる可能性を広げることを
目的としています。
実際に実費がかかっているにも関わらず、
公共交通機関を利用した場合は送迎加算の
対象になりません。
どんなに近くても、
自動車で送迎をしたら加算がつく。
子どもの将来のために公共交通機関を利用して送迎をしたらつかない。
これって、何か変だ…
と思っていますが、
変更どころか検討にも上がっていませんでした。
とても残念です。
その他、色々サービスにおいて変更がなされる予定です。
いずれにしても、
より良い障害福祉となる流れであってほしいと
願っています。
私が仕事を始めた20年前から比べたら、
随分変わりました。
多くの人たちが声を上げて
変えてきたものです。
それでも、まだまだ十分とは言えません。
そこは、
私たちが声を上げていくことで
変えていかなくてはいけないと
思う今日この頃です。