知ってました?靴底が真っ直ぐすり減りにくい理由

お久しぶりです
こば@kobakutsuです。

今日は靴屋としてよく聞かれる質問についてお話ししたいと思います。

靴を履いて歩くと、靴底はどうしてもすり減ってしまいますよね。でも、そのすり減り方には個人差があります。あなたは自分の靴底のすり減り方を見たことがありますか?もし見たことがなければ、今すぐにでも見てみてください。

靴底のすり減り方

足の形や歩き方によって変わります。そして、そのすり減り方によって、足や体に影響が出ることもあります。ですから、靴底のすり減り方を知ることは、健康的な足のためにも大切なことなのです。

では、どのようなすり減り方が正常なのでしょうか?それは、【やや外側が減った】ものです。そうです、カカトの中心が減ることが正解ではないのです。


これには理由があります。

足関節の構造に関係しています。

足関節とは、足首の部分です。足首は、左右のくるぶしを結んだ位置からやや下で曲がります。この曲がる位置を【運動軸】と言います。そして、この運動軸は地面に対して約8°傾いています。なぜかと言うと、【内くるぶしと外くるぶしの高さが違う】からです。

内くるぶしは外くるぶしよりも高い位置にあるので、それらを結ぶ運動軸は斜めになります。これは、足の骨格の特徴です。スネの骨の捻じれなどもありますが、難しくなるので省略します。

運動軸が斜めになっていると、どうなるでしょうか?それは、つま先が斜めに上げ下げしやすいということです。

つまり、足首を動かすときに、つま先は真っ直ぐではなく、やや内側に向かって動きやすいのです。

これは、自分で試してみると分かりやすいです。立ったまま、座ったまま、寝たまま、姿勢は問いませんので、自分のつま先を見ながら、限界までつま先を上げてみてください。すると、小指の方が下がるように足が斜めになったと思います。逆に、限界までつま先を下げると、親指の方が下がったと思います。

これは、足関節の軸が斜めになっているから。関節には遊びがあります。多少自由に動く余裕があるのです。これによって、つま先を真っ直ぐ下ろすことも可能です。しかし、構造上、つま先を最大まで下ろすと、斜めになる傾向にあります。

靴底のすり減り方

では、このことが靴底のすり減り方にどう影響するのでしょうか?それは、カカトの外側がすり減りやすくなるということです。なぜなら、つま先を上げて踵から地面に接地するとき、構造上、踵の外側が最も下がりやすいからです。

つまり、足関節の軸が斜めになっていることが、靴底のすり減り方に影響しているのです。ですから、やや外側が減ったものが、正常と言われるのです。

もちろん、これは教科書的な話です。実際には、足には【回内・回外】という動きもあります。回内とは、足の内側に向かって回すことです。回外とは、足の外側に向かって回すことです。教科書的に見ても、それぞれの可動域は異なります。回内=20°、回外=30°と定義されています。

つまり、足の内がえし(回外)はしやすいけれど、足の外がえし(回内)はしにくいということです。これも、足関節の軸が内側が高く、外側が低いことに関係しています。

足の内がえしは、運動軸に沿って行われますが、足の外がえしは、運動軸に逆らって行われます。ですから、足の外がえしは、足関節に負担がかかりやすいのです。

靴底のすり減り方もそうですが、足の軸の高低差も意外と知らない人が多いのではないでしょうか?足の構造を知ることは、足の健康にとって重要なことです。

足は体の土台ですから、足が不調だと、体全体に影響が出ます。

ただ、色々な考え方があるのが【足・靴】です。私は教科書に沿ってこのように考えていますが、世の中には様々な考え方方があります。ですので、正常という言葉を使っても良いのか、正直迷いました。でも、西洋医学的に正しいと言われている話であれば良いのかな?と思い筆を取りました。

※筆は持っていません。

まとめ

靴底のすり減り方を見て、自分の足の状態をチェックしてみてください。もし、靴底のすり減り方が正常でないと感じたら、足の形や歩き方に問題があるかもしれません。

わたしは、意図的にそうしてることもあります。

その場合は、プロの靴屋に相談してみてください。靴屋は、靴だけでなく、足にも詳しいです。靴のサイズや形、インソールなど、あなたに合ったものを提案してくれます。

靴屋として、皆さんの足の健康を応援しています。足が健康であれば、歩くことも楽しくなります。歩くことは、心と体の健康にも良いですよ。

いってらっしゃい! 😄✨

いいなと思ったら応援しよう!

こば@靴、インソールのブログ投稿
カラダに関する情報を国内外問わず分かりやすい形に直してどんどん発信していきます。頂いたサポートは次の文献購入費用に宛てております。 もし、よろしければ文献購入費用のお手伝いをして頂きますと幸いです。よろしくお願い致します。