映画「ばいきんまんとえほんのルルン」
〜以下、ずっとばいきんまんノロケ話〜
ばいきんまんに魅力をかんじ始めたのはいつからだろう。
妹の身のふりをあんじていたわたしの兄は、当時中学生だったわたしの「ばいきんまんはイケメン」という言葉に胸をなでおろしたそうだ。気がはやすぎるだろ、兄。
兄からそんな心配をされ、また安堵されていたこともしらぬまま、以降、ずっとばいきんまんのことを「イケメン」枠にカテゴライズして生きてきました。
ばいきんまんはおそらくドキンちゃんに惚れてはいないでしょう(「5時に夢中!」という番組で「(惚れてはいないが、ふたりは)絶対ヤってる」という意見があったな。まあそれはさておき)。
とくべつ惚れてもいない女性にあれだけ尽くしてあげれるというか、寛大に応対できる人間がどこにいるっていうんだろう(じぶんがメンズだった場合、できるか? 今生はウーメンですが、やはり思い入れもなくだれかにあそこまで尽くすことはできない。思い入れとは少しちがうけど、ばいきんまんとドキンちゃんのあいだには熟年夫婦的な情をふんだんに感じる。ばいきんまんとアンパンマンもそうだけど。あの感情&関係性をなんと呼ぶのだろう。あれはあれでロマンだよね。そんなロマンスを複数結べてしまうばいきんまんの人間力たるや、ですよ。菌だけど)。
ばいきんまんの悪事の発端はドキンちゃんの「あれ食べた〜い( ≒ 盗ってきて)」であるにも関わらず「いや、これドキンちゃんに言われてしかたなくやってて・・・」とか、ドキンちゃんにも「いや、ムリやろ。自分でやって?」とかケチくさいこといっさい言わないわけですよ。
すべてのムリ(運命)を飲み込み、かろやかに突撃していっては、ユーモラスに殴り飛ばされる。だれを責めるでもなく、淡々とおのれの行動と責任のみで世界と対峙しているわけです。かっこよくないですか?
また、彼はドキンちゃんのみならず、アンパンマン、アンパンワールド全土に尽くす功労者です。ヒールに見せかけて実質的にはヒーロー的役割を果たしている(ムーミン村の刑事は、平和すぎて鬱になったことがあります。アンパンマン(や、ジャムおじさん一同)が鬱にならぬのは一重にばいきんまんのおかげかと)。
ルパン一味が輝くのは、どれだけボコボコにされてもポップに追跡してくれるとっつぁんがいるからです。
アニメ化にあたり、やなせさんがいちばんこだわったのはバイキンマンの声でした。
「ばいきんまんの声はホントだいじ。ばいきんまんの声に、このアニメの生き死にがかかってると言ってもいい。もし、いい人がさいごまで見つからなければ自分がやる」とまで言ってたらしい。
そうやって決まった中尾隆聖さんが亡くなったりする前に「ばいきんまんが光る映画をつくっておこう」ということなんだろうなーと思いながらみました。
・メカ開発スキル&根性
・寛大なこころ
・いさぎよく、判断が的確
・実はスーパー利他マン
・↑こういうすごさを普段全くかんじさせないところ(ここがいちばんポイントたかい)
という彼の美質が描かれています。おとながにちゃ〜とほほえめる内容。
https://eiga.com/movie/100998/video/?fbclid=IwY2xjawE-P8ZleHRuA2FlbQIxMQABHc578ZjQT7W4SaWgpuwo_PaYDByben2mQ1ZVB63G--TbX6iybe9kHs2-rw_aem_KkM-GvH0MEzxNj6QV1XIcw