あそどっぐインタビュー8日目 その5 「あそどっぐ、じつは引退しかけてた時のお話」
あかほし(以下「ほし」): ギャオのドキュメンタリー番組のときに、なんか〜・・・あの〜なんだっけ。リハビリの?
あそどっぐ(以下「あそ」): はいはい。
ほし: 「はじめは呼吸リハビリの日の撮影をわざと避けてたけど、もうそろそろ『そのへんも知ってくれてるお客さん』と『そのへん知ってもらったあそどっぐ』でお笑いやってってもいいかなって、リハビリの撮影もOKにした」って言ってたけど。(注1:文末参照)
あそ: うん。
ほし: あれって、なんか・・・どういう心境の変化が?
あそ: う〜ん、やっぱあの〜笑いの観点から言うと、なんかかわいそうな部分とかっていうのは、あんま見えると、やっぱりそこがひっかかって笑いにくくなるもんだと思うのよ。(「ネタのお話 〜ラッコとアスリートとキリギリスと〜」)
ほし: うんうん。
あそ: だから、ただ純粋にこう、何も考えずに笑えるっていう状況じゃなくなるのかもしれんけど・・・ちょっとずつ、ぼくの固定のファンの人も増えてきてくれたし、あと〜まああそどっぐていうの自体が、すこしずつ世の中に知ってくれてる人が、増えてきたから。
ほし: うん。
あそ: まあ、そこまでいろんなことを気にしなくても、自分の今の状態そのまんま見せても、あの〜・・・まあ相手が驚いてしまったり、ひいてしまったりとか、笑いにくくなったりっていう状況、では今はもうなくなってきたかなって。
ほし: あ〜。
あそ: って思ってるかんじかな。
ほし: ああ〜なるほど。
あそ: ちゃんと芸人として、認知されてきた・・・から、いけるかな?っていうかんじ。あれがまだずいぶん前にあの状態をだすと、やっぱし「障害もった人が、笑いの活動してるんだ」っていうかんじになるんだけど。もう今は芸人として紹介されるし、どこ行っても。
ほし: ふんふん。
あそ: だからもう「芸人で笑っていい人」・・・っていう前提が定着した上で、障害の部分が浮き彫りになってもまあ、いいのかな?っていう、かんじかなあ。
ほし: ほああ。
あそ: うまく言えんけど。
ほし: うん、つたわった。あ〜・・・かっこいい。
あそ: (笑)
ほし: (笑)そっかあ。う〜ん・・・よかった聞けて。
あそ: (笑)
ほし: あれ、その、ギャオ見てて「なんでそう思ったんだろ?」って気になってたから聞きたかったんですよね。
・・・
ほし: あそさんのさあ、この前、なんか、なんだっけ?チャンネルリストが何人超えなかったら辞めます、みたいな動画あげてたじゃないですか。
あそ: あ~うんうん。
ほし: あれなんだったんすか?
あそ: え~とねえ、え~っとぉ~去年(2019年)の目標として「Youtubeでチャンネル登録が1万人突破しないと、引退」って・・・宣言して、活動してたのよ。
ほし: おお、ふんふん。
あそ: で、まあ結果的にはクリアしたので、オッケ-になったんだけど。年末に向けてぜんぜんクリアできてなかったので。
ほし: うんうん。
あそ: まあ、「これ~・・・1万人いかないと、辞めるけど最後まで頑張ります」みたいな・・・のを、つくったんかな。
ほし: あ~・・・え、じゃあその1万人にいかへんかったら辞めるっていうのは、マジだったんですか?
あそ: 去年はマジだったね。
ほし: なんと。
あそ: うん、だいたいあの~、毎年毎年、なにかしらの目標たてて。1月1日の生放送で。「今年はこれができなかったら引退」って言ってはじまるんだけど。
ほし: へえ~、うん。
あそ: で~・・・まあ一昨年まであたりはなんやかんやもう、すごいきたないごまかしもいれつつ。
ほし: (笑)
あそ: 引退を回避して・・・でも去年はかなり本気だったね。
ほし: あ~、そうなんや。
あそ: うん。だからホントもう危なかったよ。
ほし: はえ~。
あそ: クリアしたのは大晦日の、夜の10時ぐらいだったから。
ほし: あ、そうなの!?
あそ: うん、だからホントねえ。
ほし: うん。
あそ: うん、辞めてたよ。
ほし: あっぶな-!へええ?(笑)マジかよ。
あそ: うん。
ほし: へええ-!マジかそんな・・・なんか~その~、なんだろう。動画だけ見たんすよ。なんか「引退」って書いてあって、めちゃめちゃ寝耳に水だったんですよ。そんな・・・あそさんのSNSにいつもはりついてるワケじゃなかったから。
あそ: (笑)うん。
ほし: で、「ありゃあ」と思ってその動画みたらけっこうまじめにやってたから、あれっと思って。お母さんも心配してて。
あそ: うんうん。
ほし: お母さんが「だいじょぶかなだいじょぶかな」って言ってて。
あそ: (笑)
ほし: でわたしは、「いやあ本気じゃないんじゃない?でもなんか顔が真剣だからどうなんだろう」っていう会話をしてて。
あそ: (笑)うん。
ほし: 「・・・でも、なんか続いてるね」ってなって。
あそ: (笑)
ほし: ・・・そういうことだったんか。
あそ: そうそう、危なかったんだわホントに。
ほし: あんりゃあ。ええ~、なんでそんな過激な生き方をしているんだビックリした(笑)
あそ: (笑)
ほし: そういうのはこう、じぶんにハッパをかけるため?ってこと?
あそ: そうだね、なまけちゃうんだよね、なんかないとね。
ほし: あ~、そういうことか。
あそ: うん。でも今年はもう去年ので懲りたから、今年は特に目標はなく。今年からは目標・・・っていうかもう、ただ「ずっと続ける」ということで。
ほし: あ。
あそ: やってくので。
ほし: あ、よかった。
あそ: はい、安心してください(笑)
ほし: よかった。そうかあ。
あそ: うん。
ほし: ああ、めっちゃあせったわ。
あそ: (笑)
ほし: (笑)ぜんぜんしらんかった。あそどっぐの危機を。島田監督とかはなんか言わんかったん?(注2)
あそ: あ、島田監督~にもいちおうね、もうね「引退の危機なのでチャンネル登録をお願いします」っていうのは・・・めっちゃ悩んだんだよ。
ほし: あ~あ~。
あそ: こういうのはきらいだろうなあと思いながらも。う~ん、でもやっぱりホントね、大晦日に送ったんかなあ。30日か大晦日か。
ほし: うん。
あそ: いやね、送ったね。ぜんぜん足りてなくて。
ほし: ああ、そうなんや。
あそ: 「もうなんもせんまんま、終わるよりかもう。どっちにしろ終わるんならもういいか」と思って、送って。
ほし: うん。
あそ: まあ返事は来なかったけど。
ほし: うんうん。
あそ: うん。
ほし: へええ~、ああ、そうなんや。マジか、ビックリするわ。そうなん・・・(笑)
あそ: (笑)
ほし: やめてくださいよ(笑)
あそ: (笑)
ほし: ええ~じゃあ、引退しとったらその~インタビュ-もクソもないじゃないですか(笑)
あそ: うん、そうそうそう(笑)
ほし: もはやそうか。あそどっぐじゃなくて人間阿曽太一のインタビュ-になっちゃう。
あそ: そやね。うん、だからもう、たぶんインタビュ-・・・これいつからやってたんだっけ?インタビュ-って。
ほし: え~っと去年の10月ぐらいじゃないかなあ(編注:2019年の10月)。
あそ: そっか。じゃあたぶん、うん。1月・・・で、もうインタビュ-終わりだよね。
ほし: マジで!?(笑)
あそ: (笑)
ほし: きょええ~、なんも知らんとしゃべってた。
あそ: (笑)
ほし: ふおお~。なんか、そんなビックリする話されると思ってなかった(笑)
あそ: (笑)
ほし: じゃあうちの母ちゃんの心配は正しかったってことやな。
あそ: うん、そうです(笑)
ほし: そうかあ。
(あそ: 吸引を)
あそ: はいはい。
ほし: なんでギリギリで間に合ったんやろうね?
あそ: えっとねえ、やっぱいろんなところであの~あたま下げて、こう・・・「登録してください」って言って。
ほし: うんうん。
あそ: で、まああの~町中で、3日ぐらい前かな、大晦日のね。町中で、もう朝から晩まで。こう、町ゆく人に「登録おねがいします」って直接言いに行く生放送したのよ。
ほし: へええ~。
あそ: うん。でまあ、それとあわせてあとはもう・・・知り合いの有名人さんとかにお願いして。東ちづるさんと、カンニング竹山さんが協力してくれたんかな。
ほし: あ~そうなんや、うんうん。
あそ: で、あとはねえ、なんてったってあの~・・・いっつも放送見てくれてる固定客の人たちがもうあちこちに連絡しまくってくれて。
ほし: へ~~。
あそ: うん。ホントギリギリになって。
ほし: あ~、よかった間に合って。
あそ: うん、ホントあぶなかったよ。
ほし: う~ん、ひやあ。
あそ: うん(笑)
ほし: (笑)スゲえことするなあ。
あそ: (笑)
ほし: そうか、そうか。なかなかこう、覚悟をきめると・・・つよめの人なんすねあそさんは。
あそ: (笑)うん、あぶなかったよホントに。
ほし: そうか。「こりゃ間に合わん」ってなって、あの動画をあげたってことか?
あそ: うん。そうだね。
ほし: あ~・・・はあ~!マジか。
あそ: うん。
ほし: ニコ生とかツイキャスの使い方。わたし全く分からなくて。
あそ: (笑)
ほし: そう。だからなんかこう、インタビュ-してる人でありながら一度もみたことがないという(笑)
あそ: (笑)
ほし: 不届き者なんですけど。
あそ: (笑)まああっちはなんとなくやってるだけだから、大丈夫だよ。
ほし: (笑)
注1:数年前、GYAOであそどっぐのドキュメンタリー番組が公開された。現在は視聴できない。この心境の変化は、ネタ作りの仕方にも影響している。(「あそどっぐにとっての、自分の身体とことば」)
注2:島田角栄。あそどっぐのドキュメンタリー映画「寝たきり疾走ラモーンズ」を撮った監督。あそどっぐが「『なんやあいつ』って思わせないようなのを作らないといけないなっていうのは、ずっとあるよね」と言う間柄。映画撮影当時のことを、あそどっぐ自身が書いた記事もある。(「僕の一生の誇りだ。」)ほか、監督との関係性は「ネタの話」「ハプニングと生きざま」「取材されるあそどっぐ」に詳しい。
次回、 「あそどっぐ、ヘルパーさんと飲みにいくの巻」
前回の記事はこちら 「神さまと性欲と」
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