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あそどっぐインタビュー6日目 その1 「ハプニングと生きざま」

あそどっぐが好きだ。
あそどっぐを好きな人も気になる。
あそどっぐを好きな人を、好きな人も気になる。
そんな「好き」が輪っかのように繋がることもある。今回はそんなお話。

新型コロナウイルス
あかほし(以下「ほし」):  どうも。げんきですか?
あそどっぐ(以下「あそ」): あ、まあまあげんきっす。
ほし: 熊本ってコロナどうなってるんだ?(2020年3月11日収録)
あそ: ・・・はねえ、5.6人いるんかな。
ほし: あ〜でも少なめですね。
あそ: あ〜でももうあの〜・・・今あれ、外に出れないんだよね。ヘルパーさんの会社が外出禁止になっちゃって。
ほし: え。
あそ: そうなの。1人でも陽性出たら事業所全体がアウトだから。
ほし: あ〜・・・
あそ: てことで「サービスは受け付けません」ってことになってる。だからめっちゃいま寝たきりよ。
ほし: めっちゃ寝たきり(笑)
あそ: 完全な寝たきり。
ほし: (笑)そっか〜。たしかに名古屋かなんかのヘルパーさん事業所がストップしたみたいなニュースを・・・
あそ: うんそうだよね。そうなるわ。
ほし: ひゃ〜・・・ありゃあ。そうか、じゃあ福岡のライブにも行けないんですね?
あそ: うん。福岡はとりあえずね、あの〜昼間のライブは中止になって。で、夜の放送は自宅から中継でやってもらうことに。
ほし: へえ!じゃ、他の芸人さんは普通に出演できるんだ?
あそ: うん、スタジオのやつはやる。でもライブ自体は中止だね。
ほし: そうかあ。
あそ: はやく落ち着いてもらわないとなあ。
ほし: ね。ひゃ〜・・・。3日前ぐらいに、チアキさんっていう女性と会ったんですけど、彼女もイベントを開催する立場の人だから・・・
あそ: あ〜たいへんだ、じゃあ。
ほし: そうそうそう。イベントをじぶんでもつくってるし、行くのもかなり行く人なので、打撃が大きいみたい。
あそ: そうだね、イベント関係はほんと打撃だよねえ。

島田監督のいろんな顔
ほし: そのチアキさんって方、島田監督(注1:文末参照)と知り合いなんですよね。それで島田監督の話してたんですけど、おふたりが初めて出会ったのはハプニングバー(注2)だったらしいんですよ。
あそ: ええ〜(笑)
ほし: チアキさんはおそらく、常連さん。で、島田監督は・・・そのハプニングバーに出入りしてるSM嬢さんと仲が良かったのかな?そのSM嬢さんは、彼の撮った映画にも出てたとか?ともかくそういったつながりがあって島田監督がハプニングバーに来てて。
あそ: うんうん(笑)
ほし: 島田監督が「こんど映画やるから来てね」みたいなかんじで出てきたそうなんです。で、もう泥酔してたんですって(笑)
あそ: (笑)まあね、だいたい泥酔するもんねあの人ね。
ほし: チアキさんは「映画宣伝のためにハプニングバーにきて、いきなり泥酔してるこの人はなんなんだろう」って興味わいちゃったらしくて(笑)
あそ: (笑)
ほし: それがはじまりみたい。で、それからずっと島田監督の映画は・・・だいたい初日に観に行ってるんじゃないかなあ?っていうぐらい熱心な島田監督ファンで。エキストラとかにも行ってるらしい。
あそ: ああ、出てるの?じゃあちょこちょこ。
ほし: たぶんね。パキッと映ってるかどうかは分かんないけど、チラッとは映ってるんでしょうねきっと。
あそ: へえ〜。
ほし: ほんで、「なんかいつ見ても舞台挨拶の時に泥酔してるし・・・」
あそ: (笑)
ほし: 「ぜんぜんカッコいいところを見たことがなかった」って言ってたんだけど、エキストラに参加したとき、監督やってる島田監督を見て「あ、すっごいカッコいいな」って思ったらしいんですよ。
あそ: ああなるほど、うん、うん。監督やってるときカッコいいよ。
ほし: あらら見たいなあ。ふふ。「こんな・・・今まで見た中でいちばんカッコいいかも」とか思ったらしくて、それを島田監督に伝えたらしいんですよ。
あそ: うんうん。
ほし: それ言うとふつうの人だと「え〜ふだんはかっこよくないの?」とかまぜっかえしがちだけど・・・
あそ: うん。
ほし: でも島田監督はその場でめっちゃくちゃ喜んでたらしい(笑)
あそ: (笑)やっぱ頭おかしいわ。
ほし: それ見てチアキさんは「なんて素直・・・好き〜!!」って思ったって話をしてました。これ聞いたとき、あそさんに話そうって思った。
あそ: (笑)そうだよね。舞台挨拶んときも大体もう・・・だいぶん酔っ払って行くんだもんね?
ほし: うん。でも、酔っ払ってても・・・緊張してますよね(笑)
あそ: ああ〜うん、やっぱ照れ屋なんだろうね。すごいね。
ほし: なんか「普段の島田監督みてると、マジメなことしてるともうはずかしくなって照れてなんかこう茶化すようなことを自分でしはじめちゃう」っていう話も出ましたね(笑)
あそ: そうだよね。
ほし: なんてチャーミングなんだろうと思って。あいくるしすぎる。
あそ: うん、ほんとそうよ。
ほし: そういえばあそさんって、島田監督になんて呼ばれてるの?
あそ: ん?「あそどっぐ」。
ほし: そうか、映画でも「あそどっぐ」でしたもんね。

チアキさんの話
ほし: チアキさんと話してて、若いうちに「この人は敵わん!」って人にふれとくのは大事だなあって思いました、あらためて。チアキさん千人斬りぐらいしてる方なんで・・・きっと人間と関わり合ってきたキャリアがケタ違いなんだろうなあ。だから会話をしているときも、彼女の言うことの意味を「そうだな」と納得することを超えて、むしろチアキさんが「そういう風に生きてきた」っていう生きざまが、今はたまたま言葉となって表れされていると言った方が近いんですよね。この人はこういう風に生きてきたんだ!っていうエネルギーを直接浴びるから、ヘタな正論よりよっぽど効く(笑) その彼女いわく「怒るっていうのは、怒ってるとき気持ちがいいんだ」と。
あそ: なるほど。
ほし: 「気持ちがいいからやってしまうんだけど、何にも良いことないからね」って言ってて。
あそ: あ〜まあそりゃそうだよね、うん。
ほし: で、あるとき彼女に「自分のことを大事にしなきゃいかんなあ」っていうタイミングがあったらしいんだけど、チアキさんはその方法が分からなかったんですって。でも、以前付き合っていた彼氏が「いま疲れてるんじゃないの?」とか、カゼひいたまま仕事に行こうとしたとき「今日ぐらい休んでいいんじゃない?」と言って自分の仕事帰りにプリンとか買ってきてくれるような人だったらしくて。
あそ: あら、いい人。うんうん。
ほし: そうそうそう。「すごく私のことをこまかく見てくれてた」って。自分を大事にする方法を、自分では分からないんだけど、彼氏のことマネすればいいんだって思ったらしくて。それで、自分のことを大事に出来るようになったって。だから「一緒に居ると人は似てくるから。向こうが嫌な感じでくるのを、嫌な感じで返してたら終わらないから、そういう感じで、ふわっとしてたら、今度はそっちに似てくるはずだから・・・どうかね?」っていう話をしてくれて。
あそ: あ〜なんか、すごいいいなあ。そうだね、いいね。
ほし: わが身を反省しましたよ。スゴイなあと思ってなんも言えなかった。「うう、そうっすね・・・」としか(笑)
あそ: (笑)おお〜いいなあ、それはいい・・・。
ほし: もし特に尊敬してない人から「怒っても何にもなんないよ」とか観念的に言われてもむなしくって、たぶん全く響かなかったと思うんですけど。
あそ: うんうん。その人が言うからね、説得力がね。
ほし: そうそうそうそう。ふしぎだよなあ、あれって。

注1:島田角栄監督。あそどっぐ主演ドキュメンタリー映画「寝たきり疾走ラモーンズ」を撮った監督。「寝たきり疾走ラモーンズ」は先月からアマプラでも視聴できるようになりました https://go.shr.lc/3Dd5GhX
注2:ハプニングバーとは、その日に居合わせた人達がエッチなハプニングを楽しんだりできるお店です。

次回、「怒りと家族と(前半)

あそどっぐ
1978年佐賀県生まれ。熊本在住。お笑い芸人。
あかほしあまね
1991年東京都生まれ。『コバガジン』のライター。

前回の記事はこちら 「ベビーカーと肛門

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