朗読・二葉亭四迷『浮雲』22第二編 第十一回 取付く島(後編)
ほぼ週一ペースで日本の著作権切れの作品を朗読しています。
今回は『浮雲』22回目。
作中では第二編 第十一回 取付く島の後編です。
【登場人物】
内海文三: 父を早くに失くし東京の叔父の家に居候中。痩せて背が高い。最近失業した堅物。
園田孫兵衛: 文三の叔父。
お政: 孫兵衛の妻、お勢の母。浮気者で大酒飲み。「ひ」を「し」と発音する江戸っ子。
お勢: 園田家のお茶っぴぃ娘。小学校後に入塾したが、今年の春の暮れに退塾して家に戻って来た。英学を学んでいる。
勇: お勢の弟。現在は某校に入舎中で家には居ない。
お鍋: KYな女中。チョンボリとした摘ッ鼻と日の丸の紋を染め抜いた頬の、ズングリムックリな生理学上の美人。
本田昇: 文三の元同僚。話がうまい中背の男。課長のご機嫌伺いに余念がなく、そのお陰か最近昇進した。
石田某: かつて英国に留学した胡散臭い英語教師。文三に翻訳の仕事を斡旋した。
山口某: 文三、昇の元同僚。文三同様に最近免職となった。
【これまでの『浮雲』】
お年頃の文三は一つ屋根の下に共に暮らす叔父の娘、お勢と良い感じ。
が!文三、仕事をクビに。
一方で元同僚の本田昇は昇進!
お勢はなんだか昇のことを気にし始めてきた?
ついに昇に絶交宣言をした文三。
お政からトンチンカンな話をされ、文三ちょっと考えてみる。
あれ、ひょっとして娘を嫁にやりたい母としては当然の意見かも???
【朗読】
第二編 第十一回
取付く島 後編
BGM: MusMusさん
活字で全部読んでみたい方は青空文庫さんや本屋さんでどうぞ!
【語彙】
今我: 今の自分
故吾: 昔の自分
人我: 他人と自分
隔歴: 互いに隔て合って別々のこと
霽顔: すっきりした顔
温語: あたたかみのある言葉
仮令: たとえ
尊尚親愛: 敬い、親しみと愛情を持つこと
水乳: 水と牛乳。お互いが和合することの喩え
乖背: 道理に背くこと
睽離: 互いに離れること
通途: 普通
媢嫉: 妬み憎むこと
至誠は天をも感ずる: 一生懸命であれば天も助けてくれる
古賢: 昔の賢人
縄麻に蛇相も生じたがる: 麻縄が蛇に見えたりする
株杭に人想の起りたがる: 切り株や杭に人の姿が見えたりする
我慢勝他: 自分の考えを押し通すこと
よくせき: 他に方法がないこと
屈託: くよくよすること
犠牲: victimのことかな
省思: 物事をふりかえって考えること
拉いで: 押しつぶして
不倶戴天: 同じ天の下には共にいられない、憎むべき
熱腸: 煮えくり返る心中のこと
上手を遣う: 機嫌取りをする
千思万考: 様々に考えを巡らすこと
審念熟慮: 本質を明らかにし、熟慮すること
愧る: 罪をおそれること、恥じること
〇 物皆終あれば古筵も鳶にはなりけり:
「物はみんな終りあれば古い莚も鳶になる」とな?
莚が鳶???
Yahoo!知恵袋に同じ質問がありました。
「かつては莚で雨避けしてたけど、現代ではとんび合羽」
みたいなこと?
昔は手紙だったけど、今じゃLINEみたいな?
【あとがき】
今回は語彙調べが多かったーーー😂
散々悩んで、悩んで、出した結論が、
そうだ!
お勢に聞いてみよう!
ズコー_(:3 」∠)_
語り手も言ってましたけど、
あれだけ近頃のお勢の言動を怪しんで、
ひょっとして昇に気持ちが動いたか?!
なんて疑っていたのに、
お勢はまだ自分のことを思ってくれていると
信じたいから信じている!!!
不安。。😂
おちゃっぴぃお勢、
そんな真っすぐかなぁ。。
ということで続きは次回。
よろしければまたお付き合いください。
🍀🍀🍀
大前提としてこのようにいろいろ調べてるのは、あくまで朗読のためです。
専門家でも何でもないので、思い違い、読み間違えもあるかもしれません。一応自分なりに調べて自分なりの理解で読んでいます。
その辺はご了承ください。
何かお気づきのことがありましたらぜひぜひお教えいただきたいです。
今後の朗読に役立てていきます!