ぼくらはweb3にどう向き合っているか
web3と呼ばれるブロックチェーンを中心とした技術領域に対してDecentierがどのように向き合っているのか、それを書いていきます。
冬の時代は続いている
web3(ブロックチェーン上でやりとりされるCryptoやNFTなど)の低迷は続いていると言われています。確かにCryptoの時価総額は2021年11月を最後に下落が続いています。
そして一時期高額をつけたNFT価格は暴落しているようです。
他方、LLMの隆盛により様々な領域でAIが爆発的に利用される現実が目の前に迫っており、世界は変わりそうです。(DecentierでもAI関連のサービスを複数利用し業務効率がものすごく上がっています)
web3はオワコンだ。AI革命が起きている!という声を各所で耳にしますが、AIとブロックチェーンではハイプサイクルが異なるだけです。web3は何度目かの幻想期。まだ下がるかもしれないが確実に新しい時代はきます。
どのようにハイプを登っていくのか
改めて、ブロックチェーンというテクノロジーによって、ぼくらはなにができるようになるのでしょうか。
1つの大きな強みは、NFTの発行ができることだと思っています。
ブロックチェーンを使うと「データに希少性を持たせられる」「データをオープンに流通させることができる」ため、NFTのような概念が成立するのです。
足元はこの特徴が出しやすく、分かりやすい領域から順番に利用が進んでいくのだと想像しています。
一番はじめは「リアル×デジタル(NFT)」
web3の領域には様々なユースケースがある中で、一番はじめに大きくなっていく・マスアダプションしていくのはRWA(Real World Asset)の領域だと考えています。(最近RWAと言われていて説明がしやすくなってきました)
リアルとデジタルをかけ合わせることで、これまで出来なかったサービスの提供、web3時代に合わせたマーケティング施策、ユーザーのロイヤリティを高めていくようなコミュニティ組成などがやりやすくなるのは、web3技術を使うことで享受できる大きなメリットです。
ではリアル分野のどのような領域で取り組むのが良いのでしょうか?
具体的にはチケット、会員権、音楽、動画、書籍、時計、自動車、宝飾品、スニーカー、お酒などが相性の良い領域であると思っています。
これらをBacked AssetとするNFTの発行は色々と面白い取り組みができると思っています。
リアルとデジタルが紐づいて生まれる顧客体験
ギフト、交換、売却などN次流通を前提としたサービス設計
人ではなくモノ(NFT)に対する特典の付与(Airdrop)
多くの産業での事業機会があります。今後この領域のNFTが市場に増えていくと想像しています。(直近でもディオールのデジタルツイン対応のスニーカーや
大事なのは事業をどう伸ばしていくか。web3は技術でしかない
一方で、web3領域での事業検討を進める際、忘れてはいけない前提があります。それは「リアルに魅力的なサービスやプロダクトが存在していること」です。ある意味当たり前ですが、web3のような新しいトレンドが出てくると、この当たり前が置き去りにされがちです。
マーケット概況にあまり詳しくない方から「とりあえずNFTを発行したい。NFTにしたら売れると思うので」というようなご相談をいただことがありますが、web3は技術であって魔法ではありません。NFTにしたから売れるというのは順番が間違っています。リアルに魅力的なサービスやプロダクトがあり、これに技術を組み合わせて更に魅力的なサービスをユーザーに届ける。この思考プロセスでサービスを設計していく必要があります。
「XXのようなNFTを発行したい」というようなご相談をいただくことがかなりありますが、まずはその上流の目的・狙い、課題などを整理するところから向き合っています。
web3は技術でしかないのですが、技術特性などを念頭に置いていないと、事業を創っていく際の選択肢にweb3技術を使った内容が上がってきません。
にわとりたまご感はありますが、事業開発の上流から入ることで、web3技術を使った面白い事業を創出できるものと思っています。
とにかく言いたいことは、web3はあくまでも便利な技術でしかないということ。このスタンスで事業に取り組んでいます。
Decentierが取り組んでいること
Decentierのミッションは「あらゆるモノがブロックチェーン上でやりとりできる世界をつくる」であり、進めていくのはFiatからCrypto(web3)の流れを加速させることです。
そしてこのミッションのもと、コンサルティング事業とプロダクト開発に取り組んでいます。
コンサルティング事業については、NFTを使った新規事業の開発案件が全体の半分程度を占めていますが、クライアント(事業者)のみまさまが検討されるアプローチは以下のどちらかです。
既存プロダクトやサービスをNFT化する: 既存プロダクトやサービスとweb3技術の相性が良い場合
新しいプロダクトやサービスをつくりこれをNFT化する: 既存プロダクトやサービスとweb3技術の相性が悪い場合
1.は、リアル×デジタル(NFT)相性が良い領域のNFT化であり分かりやすいですが、2.のケースも複数事例があります。
例えばレストランを運営している会社が新しいメンバーシップを作りこの会員権をNFT化して販売したり、スポーツメーカーがシューズの購入権をNFT化して販売したりするケースなどです。
クライアントのみなさまからは、web3技術の活用というテーマでお題をいただきますが、事業開発の更に上流構想からご支援していることが多く、一旦web3を忘れて事業の構想を進めていくことも多いです。ミッション実現に向けて、遠回りのように見えて近道であると考え、コンサルティング事業を進めています。
リアル×NFTをなめらかにするUXをつくるべく、プロダクト開発を進めています。具体的にはウォレットと決済部分を違和感なく触れるUI/UXをつくる部分にフォーカスしており、追々アナウンスをしていく予定です。
仲間を募集しています
会社を創業した際には想像していなかったほど、コンサルティングのニーズがあります。世の中にコンサルティング会社はたくさんありますが、web3という新しい技術を使って、ステークホルダーの理解を得ながら事業を創出するということができる会社(人)がマーケットのニーズに対して圧倒的に不足していることに気づきました。
会社としてはまだ超アーリーなステージなのですが、複数走っているプロジェクトはすべて面白く、一緒にコミットしてくれる方を探しています。(業務委託からでもOK)