ただの二度寝

釣りに行く予定だったが、誘っていた友だちが熱を出してしまった。
朝4時半過ぎのことである。
まあ、こればっかりはしょうがない。
風は明日も悪くない。
適当にまた誰か誘って釣りに行こう。
海はすぐそこにあるんだから。

1人でも行けないことはないのだが、まだ睡眠障害が寛解したというには早すぎるので、自分で市中走行以上の運転はすべきでない。
母親からの忠告であった。
あと、こんな時に1人で海に行って、変な気を起こしたら本当に取り返しがつかない。
あまり信じたくはないし、心底は信じていないけど、磯やら海辺はそういうものが寄り付くらしい。
よく一緒に釣りに行っている友人からそんな話を聞いていた。
あと、道中も人が手で掘ったようなトンネルがある。
時代的に人柱でもされていそうだし、暗い時間はなんか陰鬱な雰囲気を醸している。

今は意図的にそういうのを避けている。
メンタルが持ち直してきているとはいえ、根本的なことは何も解決していないから。
休学後は不確定で不安定な将来しか見えていないから。

最近はよく散歩をしている。
お気に入りのコースは踏切を渡る必要がある。
いつも、自分がいざ踏切を渡ろうとする時に警報器がならないでくれと願っている。
幸い、小心者なのでそんなこと出来っこないと思っているが、いつどんな魔がさすかわからない。

家にいるとよくない気がするので、今日も研究室へ行き、時間を潰す。
なにか暇つぶしになることを見つけよう。
とりあえず、汚い学生室の掃除でもしてみようかな。
気になる論文を見つけて、気の済むまでちゃんと読んでみようかな。
仮に就職しちゃったら、もう気軽に論文を読めなくなってしまうから。

哀しいかな、こんなに自分の研究のことでズタボロになっても、学問が好きなのだ。
就活エージェントさんにも苦笑いされた。
たぶん、「やれやれ、こりゃ重症だ」と「わかるよ、その気持ち」が入り混じっていたんだろう。
おそらく、博士課程に行きたい気持ちの中には「もう少しアカデミアを見ていたい」という願望も含まれている。
別に進学も悪くないのかな。
就職するにしたって、モラトリアムにはなるし。

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