RSGT2025に参加してきました
1/8(水)〜10(金)でRSGT2025に参加してきました。4回目(現地参加は2回目)の参加になる今年は、1日目と3日目は現地参加で2日目はリモートでの参加でした。今回は13個くらいのセッションに参加しましたが、その中で特に印象に残った3つと全体の所感をアウトプットしてみようと思います。
RSGTにまだ行ったことないけど興味あるとか、今年は残念ながら行けなかったけど様子が気になるといった方の参考になれば嬉しいです。
どんなイベントか
スクラムの団体はScrum.Alliance、Scrum.org、Scrum.incの3つありますが、その中でScrum.Allianceが主催するイベントで、Global Scrum Gatheringというイベントの地域版であるRegional Scrum Gatheringの東京バージョンになります(世界20ヶ国ほどで開催)
日本ではAgile Japanと並ぶ最大規模のイベントで、201 1年から始まり今年で14回目の開催になるようです。派生系のイベントとしてScrum Festというものも日本各地で開催されていて10ヶ所で開催があります。
大きな特徴として、カンファレンスではなくギャザリング(集い/集まり/集会)という形式をとっていて、スーツの人が少ない(ほぼいない?)点や、「廊下」と呼ばれるセッション外の雑談エリアが盛り上がるという点があるかなと思います。またその為、みんな現地参加の希望が多く400〜500枚程度の現地チケットは発売開始と同時に約10秒で即完するという超プレミアなものになっています(私も1回目は運営メンバーの横にいて取ろうとしたけど、即売り切れで取れず、2回目に準備万端で挑みなんとかゲット)
印象に残った3つのセッション
1つ目:(Day1)社内受託開発からの脱却:考える人と作る人の壁を越えるためのアプローチ
Spotifyでfuroshiki.fmというポッドキャストを配信しているいっしーさんのセッション。現在、社内で内製開発をしているものの状況としては以下に近いので聞いてみました。
チーム全体としてはPJ型(やることと納期が決まっている状態)
開発チームはスクラムイベントは実施しているものの、開発だけスクラム
案件の進め方は、要求・要件がドキュメントにまとめられてから開発に依頼される、社内受託のような形
社内受託の問題として以下の3つがあり、
①より良いアイデアが隠れる
②機能が大きくなりリリースが遅くなる
③つくる人のモチベーション低下
上記課題に対し、プロダクトゴールやユーザーストーリーマッピング、関係者巻き込んでのスプリントレビューということを実施したというのは、正に同じようなことをしていたので非常に共感できました。
ただ、上記の社内受託問題を解決しても良いものはつくれなくその先に考えることとして、チームづくりやWHYの深堀、つくる前に「決まっている」ことを減らすという取組みをしようとしているという点も興味深かったです。同じような悩みに取り組んでいる事例で非常に勇気をもらえたと同時に参考になりました。
2つ目:(Day1)スプリントレトロスペクティブ Deep Dive
RSGTではお馴染みのryugeeさんによるDeep Diveシリーズの5作目。今回は「スプリントレトロスペクティブ」について。
スクラムに出会って5年くらい経つので、気付けばもう何百回とやってるスプリントレトロスペクティブですが、今回のセッションで以下のような新たな気づきや再認識を得ることができました。
POやSMも当事者として参加する
SMの役割はファシリではなく、「楽しいもの」になるように努めること
タイムボックスの延長はNG
TRYは個人にアサインしない
KPTはおすすめしない
特に最後のは1番びっくりで、今まで迷ったらKPTみたいな感じで選んでしまっていたりしたので、次回のふりかえりから早速気をつけてみようと思います。
3つ目:(Day1)Dynamic Reteaming: リチーミングのパターンとフォースを体験しよう!
最終日の午前中はOSTというビックイベントがあるんですが、昨年現地参加してトピック出して会話できたりしたこともあり、今年はワークショップに参加することにしました。
4つのワークショップがある中、昨年のRSGT2024で基調講演されたHeidi Helfand氏の『Dynamic Reteaming』の「リチーミング・パターン」を体験できるワークショップがあるということでこちらに参加してきました。
(※ただ今回ワークショップは受付横に張り出しされた模造紙にて事前の申し込みが必要ということを知らずに飛び込みで参加してしまいました。。たまたま1名欠員いたから参加できましたが、初参加の方は要注意です)
ワークショップ自体の内容はネタバレになってしまうので割愛しますが、『Dynamic Reteaming』の日本語訳レビューに昨年参加させてもらっていたこともあり5つの「リチーミング・パターン」については認識あったので、そちらをワークショップを通じて実体験することができて、書籍の理解がより進み非常によかったです。
チームを去る人、受け入れる人の心持ちの違いで結果が変わるということを実体験にて経験できたので実際の業務でも活かしてみようと思いました。
全体の所感
上記セッション以外でもFFGの松崎さんのMVVの話やニッセイの小泉さんによるScrum TokyoのYoutube動画を全部みてつくったというおすすめ動画サイト『知映の環』の話、原田騎郎さんのマネージャの心得の話、Jeff Patton氏の爆速手書きプレゼン、bonotakeさんの組織論の話などなど、1年の中でも非常に学びが多いとても濃密な3日間でした。
RSGTのクロージングキーノートは毎回感動させられるので期待してましたが、今回も期待通りで元HONDAの本間さんが当時CITYを情熱もって開発していたというスクラムの源流の源流(つまり湧き水)である開発当時の話を通じて自分の背中も押してもらえたような気持ちになり、また来週から頑張ろうってモチベーションをもらうことができました。
「ワイガヤ」という言葉がホンダから生まれた言葉とは知らなかったですがいまの時代でも必須な不変なものだと感じたので、本間さんの書籍の「ホンダ流のワイガヤのすすめ」も読んでみようと思います。
最後に
現地参加は今年が2回目で昨年は会場に数人しか顔見知りの方がいなかったんですが、昨年に参加した研修やカンファレンス、勉強会やSDNAさんの未来会議、アトラクタさんの箱根のリトリートなどで顔見知りの方が大幅に増え、今年は数十人の方と挨拶でき、また新たな出会いもあり非常に楽しかったです。
前回のAgile Japanの参加レポートでも書きましたが、RSGTはまさに以下の3つが満たされるイベントだなと改めて思いました。
①学びが得られる
②仲間に会える
③モチベーションが得られる
来年から会場が羽田に変わるとのことでしたが、また来年も現地参加できればと思います。ありがとうございました。