今回はタイトルが”彼”なのですが、私の人生を変えてくれた人について書きます。また、ここではその人のことを彼と呼ぶことにします。

いつか何かのタイミングで彼がこのnoteを見つけてくれることを期待してみたり(笑)

彼は私と同い年で彼は男子、中学生の時に出会いました。出会い方は割愛させてください…中学生の時からお互い知っていたくせに、ちゃんと会話をし始めたのは昨年の4月でした。

「俺さー、心臓に病気あるんだよね。20歳は迎えられるはずだけど、30歳はわかんないって。」

彼と初めて二人で遊んだ日にスタバで唐突に彼が発した言葉です。私はなんて言葉を返したのか詳しくは覚えていませんが、ものすごい衝撃があったことは覚えています。私が動揺していたのに対して、彼はとても落ち着いていました。私がもし、30歳までしか生きられないと言われてしまったらきっと人生全部を諦めていたはずです。進学もせず、就職もせず、バイトもしないで毎日好きなことだけをする生活をしていたはずです。でも彼は違かったんです。彼には夢があったんです。彼の夢は、震災などの資料館で働くことだと教えてくれました。私は彼の夢を聞いた時点で何故だか説明はできないですが、半泣きでした。この文章を書いている最中も半泣きです。その涙が出できた理由は何度考えてもわからないままです。(今考えたら一番つらいのは彼なのになんで私が泣いてるんだよって話ですが…)当時の私は、そんな彼に興味が湧いたんです。(私の性格がひねくれすぎているのはご了承ください。)恋愛的にとかではなく、人として興味が湧きました。一人の人間として彼についてもっと知りたいって思ったんです。いろんな感情を分かち合いたいと思ったんです。

私は、彼からの病気の告白を受けてから、根掘り葉掘り彼について聞きました。きっとしつこかったでしょう。うざがられたでしょう。何度も書きますが辛いのは彼なはずなのにその場の私はとても馬鹿でした。ごめんね。話すの嫌なことも聞いちゃったかもしれない。ごめん。傷つけたかもしれない。でも、彼は私の止まらない質問に丁寧に答えてくれました。彼は未熟だった私に気を乱すことなく答えてくれたんです。病気でできないことがあること、病院に行かないといけないのが嫌なこと、学校も午前が終わると疲れ切ってしまうこと、周りに病気を持っていることを隠すのが大変なこと、伝えられないこと、大好きな甘いものがあまり食べられないこと、食事制限があること、辛くても大丈夫って言ってしまうこと、急に悪化することが怖いこと、手術を受けたくないこと、自分の夢のこと、将来したいこと、今だからできること、恋愛をしたいこと…

どれくらいの時間話していたか定かには覚えていませんが、私の人生の中でかなり濃厚な時間でした。生とか死とか考えるのはもっと先のことだと思っていました。私がおばあちゃんになった時にやっと考えるものだと思っていました。そんな私の中にある偏見で作られた思考を、いい意味で彼は壊してくれました。もちろん幼少期から病気で苦しんで生きていて、そのまま亡くなってしまう子がいるのはわかっていました。しかし、それは頭でわかっていることであって、本質的なところまで考えが至っていませんでした。当時の私は、具体的な夢もなければしたいこともないそんな高校生でした。でも彼は人より短いであろう人生を最大に生かそうとしていました。私はそんな美しい生き方をしている彼に憧れの念を抱いていました。伝えたいことがうまく伝わるかわかりませんが、彼は私が到底まねできないような”美しくて儚くて、けど人生を存分に楽しむ”そんな生き方をしていました。彼の生き方は私の人生にとって忘れてはならないことの一つになりました。

彼とは今、会うことも話すこともしていません。理由としては恥ずかしいことなのですが、当時私お付き合いしていた彼氏さんと彼のことで揉めてしまいました。DMをしたり、会ったり…彼氏さん目線だと許しがたいことを私はしていたと今振り返ってみても思います。彼氏さんごめん。どうやって謝っても許してもらえることではないことはわかっています。何なら、許さないで一生恨んでもらってるほうがよかったと考えたりもしています。結果的にこのことだけが原因ではないですが、当時の彼氏さんとは現在お別れしています。彼に関してですが、彼の体調が悪化してどうあがいても会えなくなってしまう前に非常時用で連絡先は交換しています。彼と話したい気持ちもありますが、彼から電話が来るときは彼が辛い状況の時なので電話は来てほしくありません。

始めにも書きましたが、彼が偶然このnoteを見つけてくれる可能性も捨てきれないので彼への手紙をここに書き残しておこうと思います。私の自己満なので読み流してもらって構いません。

彼へ

 このnoteを見つけてここまで読んでくれてありがとう。今の私の君に対する気持ちをできるだけ簡単にまとめてみました。ぜひ。

 君と話さなくなってから何か月が過ぎたでしょうか。絶対祝うと約束した君の誕生日も、私の誕生日も(笑)、クリスマスも、挙句の果てには年も越しました。私はこの5か月がとても辛かったです。

 君と話し始めてからの4か月と、君がいない5か月ずいぶん生活の色づき方が変わりました。いかにその4か月が幸せで恵まれていたのか、失ってから気づいています。私は馬鹿すぎたんだよ。君が一生懸命私のことを落そうとしてくれたけど、私は君が思っている何十倍も何百倍も何千倍も未熟で子供だった。周りの人のことが何も考えられていなかった。それ故に、君のことを悲しませてしまった。君に憧れてもらえるほどの人間じゃなかった。

 君は趣味で一人旅をしているって言っていたよね。だから私も憧れて旅を始めました。大人になったらどこか行きたいねとか言ってたのにその約束も守れなくなりそうです。旅先で君を見つけることができればいいなとか、君はここ来た事あるのかなとかそんなことを考えながら旅を楽しませてもらってます。ありがとう。

 君には感謝の言葉いくつ送っても足りない気がするよ。

 君がいた日常を思い出すだけで涙が止まらなくなる。それだけ私の彼に対する気持ちが大きかったんだなって今更ながらに感じる。ほんとに私は馬鹿だ。こんなに変な奴とつるんでくれてありがとう。

 君は私のことを落とそうとしてくれていた。けど、知らぬ間に私が君の虜になって落とされてたのかな。恋愛的じゃないかもだけど人間的にね。

 最後になるけど、君の病気が気づいたら完治してて成人式を迎えられて30歳過ぎて君は夢を叶えて40歳も50歳も過ぎて君はおじいちゃんになって、私がおばあちゃんになった時どこかの街ですれ違えたらいいな、なんてね。そんな期待をしてる私はやっぱり馬鹿だな。


じゃ、またね

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