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(昔の記事)映画「僕たちは世界を変えることができない」感想、評価。国際協力の視点から。

先程、映画「僕たちは世界を変えることができない。」を見たので、本日はその感想について書いていこうかと思います。まずは予告です。

この映画については国際協力を題材にしていたので、普通の映画の感想ではなく国際協力の視点からも感想を述べたいと思います。あらすじについて詳しく書きませんので、まずは映画を見てからこの記事を読むことをおすすめします。


①国際協力の視点からの感想

この映画は、どちらかというと国際協力にまだ携わっていない方や国際協力にチャレンジし始めた方向けだと思います。私は、この映画を見ていてけっこう考えさせられました。それは、主人公達が抱える感情と国際協力に本格的に関わると決めてまだ日が浅い私の感情が重なるところがたくさんあったからです。その点まだまだ自分は初心者で、本当にこれからだなと思っています。

②自身の経験と照らし合わせて

この映画を見ていて私はついつい自分と照らし合わせて見てしまいました。その中でも私に一番心に刺さった言葉は、先生がこうたに向かって言う言葉です。

「中途半端な覚悟なら医者もボランティアもやめてしまえ」

本当に中途半端な気持ちならボランティアをやめるべきなんでしょうか?そもそも中途半端な覚悟とは何を意味しているのでしょうか?

この言葉を聞いたとき私は思わず「うっ」となってしまいました。なぜなら、私自身明確に自分が国際協力をする理由が言語化できていないからです。人に聞かれたときに応えることはできますし、自分なりに考えた結果、いくつも理由は見つかりました。子供たちの可能性を広げたい、自分がやっていて楽しい、少しでも人々を幸せにしたいなどなど。この言葉に嘘はありません。ただ、自分のなかで何かこうしっくりきていないというか、これだ!ってなるような理由ではないような、、、

だからこそ先生の言葉にどきっとしてしまったのだと思います。

物語では、こうたは何か国際協力に対して強い思いがあったのでしょうか。もちろん、ツアーを通じて知ったカンボジアを良くしたいという気持ちもあったと思います。しかし、それ以上に現地の子供の笑顔のため、そして何より自分も楽しんでいた(充実していた)ことが理由だったのでしょう。

こうたを見て、私は明確な理由があることが覚悟ではない気がしました。自分でもなんでかあまり分からないけれども、絶対に学校を建ててやる。この情熱も覚悟ではないのでしょうか。私は「明確な理由があり、国際協力しなくても良い。しっかりと言語化できなくてもやりたいという強い思いがあるならそれは中途半端ではない。」と感じました。それを感じると共にもう一度、自分が国際協力の携わりたいと思う気持ちについて掘り下げていきたいとも思いました。

あと、国際協力分野で働く人は意外とみんな自分が楽しいからやってる人も多いなと感じることもしばしばあります。

③かおりの選んだ道について

かおりは、最終的に「自分のために」サークルをやめる決断をしますよね。そして、看護の道へ進むことを決意します。

そこの描かれ方がすごく良いと思いました。国際協力を変に美化しすぎずに、自分のために人生を歩むことも素敵なことだというメッセージが含まれていたと思います。

例えば、4人だけにフォーカスして、かおりを描かなかった場合、もしくはかおりもサークルに全力を尽くすことを決意したら、もっと薄っぺらい映画になっていた気がします。

現地の状況を知って違う道を選ぶという選択肢を入れたおかげで、幅広い人生観を描き一層深みが出たと思います。そして、ついついイメージで国際協力している人はすごい人みたいな価値観がなくなり、国際協力をする人も自分のために生きる人も同じステージで、ある意味国際協力をする敷居が下がったのではないかと思います。すごく良いシーンだったと思います。

④ラスト:木をみんなで掘り起こすシーンについて

おそらく、国際協力に深く携わっている人は、これどうなん?って思ってしまったのではないでしょうか。子供が親の仕事を手伝わなければならないのに、こうたの子供に学校へ行ってほしいというある意味「自分勝手で押し付けのボランティア」のようにも受け取れます。

私もこれはどうなのかなーと思いながらも、このマインドはいつまでも持っていたいとも思いました。子供になんとか学校へ行ってもらいたい、そのためだったら自分のできる限りのことをしたい、これから国際協力に関わっていく上でそんな情熱を心の奥にずっと持ち続けることも大切なのではと思いました。

あと、例え現地のニーズや状況をもっと深く知り、それに合わせてやった時でも突如思い通りにいかないこともあるんだよなと、改めて感じました。

⑤映画として見た時の感想

今までは、どちらかと言えば国際協力的視点の感想であったので、少し映画自体のお話をしたいと思います。

まず、向井理イケメンですね(笑)。今まであんまりかっこいいと思ったことなかったのですが、かっこよかった(笑)。そして、リリーフランキーさすがですね、渋い。大好きです。それはまあ置いといて本題へ!

⑥ストレスのたまらない作品

まず、この映画の構成はすごくきれいなだと思いました。

「生きる希望」という繋がりやシーンが全てストーリーに不可欠となっているところや伏線もきれいに回収されていて、良くも悪くも見ている人にストレスを与えない映画だったのではないでしょうか。裸で演説するところや最後の「青空」を合唱するところなど、きちんと盛り上がるべき正確なタイミングで印象に残るシーンを入れてありましたよね。

ストレスを与えないという視点で、特に最後それぞれの進路を語るところは気持ちが良かったですよね。見てる側がこの人はこういう進路に進んでほしいという進路にそれぞれがきちんと進んでくれました(笑)

先生のお金を入れるところも物語的にきれいでした。

⑦THE BLUE HERATS 「青空について」

これはもう私が好きだから書きたかっただけです(笑)

主人公たちがブルーハーツ好きってのもなんだか納得できましたし、年代を感じましたよね。特に物語では次の歌詞が胸に響きました。

生まれた所や皮膚や目の色で いったいこの僕の何がわかるというのだろう

この映画を見ながら、それぞれで感じることがたくさんある部分だと思います。

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