
ブリキのおもちゃ
昔、中華街の雑貨屋で見た、中国直輸入のブリキのおもちゃ。
ほっぺたが妙に赤い女の子や、中国の国旗のように真っ赤の服の男の子が、ぜんまいでシンプルに動くやつ。
中国の子供達ってこんな感じなんだ、こういう玩具で遊んでるんだって、想像を巡らし、おもちゃから漂う匂いから、住んでいる家や町の匂い、また、おもちゃのお世辞でも紙質が良いとは言えないパッケージと、そこにある漢字のフォントの感じから、中国の本屋で売ってる本ってこんな感じなのかなと、勝手に思い描いた。
中国を知る手がかりが、ブリキのおもちゃしかないから、そこから色々妄想できる。
インターネットもなく、現地の様子も簡単にわからないから、興味、憧れが強くなる。
今の世の中、情報を簡単に取れるからこそ、外国の憧れ的な情緒を心で感じることが難しくなっている気がする。