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ヘビに関わる薬の話(巳年)

あけましておめでとうございます。薬剤師のK,Oです。
と、いいつつ最近は音楽活動が忙しくなってしまい、めっきりこちらを運用できていませんが。。。

今年は巳年ということで、ヘビにかかわる薬の話をまとめました!



ヘビの薬といえばマムシ

僕の中では、ヘビの薬!といえばマムシのイメージが強いです。

有名なのはハンピ(反鼻)と呼ばれる生薬。
マムシの内臓を除き、皮を剥いで、乾燥させたものを使います。

鼻が上に反っているところから反鼻(ハンピ)という生薬名


ハンピは、古くから強壮強精の薬として知られます。
漢方では酒に漬け、全身の衰弱や内臓機能の衰え・できもの・しびれ・脳卒中後の麻痺・痔疾などに用います。

ちなみに生薬は、赤マムシの方が効能が高いとされていますが、科学的にはよくわかっていません。


ヘビに関連する薬

生薬としては日本薬局方に収載されていないので、病院で処方される第一類医薬品の中にヘビは含まれていません(おそらく)

自分が調べたり、知っているものでヘビに関わる薬をずらずら書いていきます。


薬用養命酒(第二類医薬品)

言わずと知れた有名薬用酒。マムシ(ハンピ)が含まれています。

最近の研究ではハンピの有効成分に、強心作用、血球数および血色素を増加させる作用があることがわかっています。

養命酒HPより


ユンケル(第二類医薬品)

「ハンピチンキ」が含まれています。

チンキとは、アルコールに有効成分を溶かし込んだもの。
成分によっては吸収しやすくなる利点があります。



阪本赤まむし膏(第二類医薬品)

ヘビ油が使われた塗り薬。
きりきず、にきび、手足顔のあれ、かゆみ、ひび、あかぎれ、しもやけ、いんきん、たむし、水虫、疥癬、くさなどに使用。


カプトプリル(第一類医薬品)

有名な血圧降下剤です。世界初のACE阻害剤。
ヘビは入っていないのですが、有効成分の元はヘビの毒です。

1970年代、アメリカハブの毒が血圧を下げることを発見。
その後、米国の製薬会社が毒の構造をヒントに、カプトプリルを合成・開発しました。

蛇胆(じゃたん)

マムシの胆嚢を乾燥させたもの。ハンピよりも滋養強壮効果が強いらしい。
タウロコール酸などを含有。

蛇退皮(じゃたいひ)

蛇の抜け殻。神農本草経(中国最古の薬物書)に収載。成分はコラーゲン。


伯州散(はくしゅうさん)、伯耆の黒グスリ

マムシの黒焼きに、鹿角(鹿のツノ)と津蟹(モクズガニ)の黒焼きを混ぜたもので、悪性のはれもの・化膿性の病気・慢性のおできに効く良薬として伝えられています。

その他

東南アジアなどでは、強壮効果を期待して生き血を飲んだり、肝に酒を注いで飲んだりする習慣もあるそうです。怖!!!

ヘビが入っている薬は意外とたくさんあります。
ただ論文やデータも古いものが多く、科学的根拠が乏しいのも多い印象です。


マムシグサ

茎に紫褐色のまだら模様があるため、マムシ草と呼ばれる。

全草にシュウ酸カルシウム等を含む有毒植物
球茎が、天南星(テンナンショウ)という生薬として知られています。

利水(水分代謝を正常にする)作用があり、
漢方処方の二朮湯や清湿化痰湯に配合されています。


ヘビイチゴ

生薬「蛇苺(じゃも・じゃばい)」と呼ばれ、解熱や神経痛などに効果があるそう。また、果実を焼酎に漬け込んだものを、虫さされやかゆみ止めに用いたそう。


自分は子供のころ「ヘビイチゴには毒があってヘビしか食べない」という話を聞いたのですが、実際はこちら普通に生で食べれます。(※美味しくはない)

ヘビも肉食なので、ヘビイチゴは食べないそうです。
なんだそれ!!



おわりに

最近は、音楽や絵などの創作活動に重きを置いていて、なかなか植物・薬の活動ができていませんが、また機会があれば記事を書こうと思います。

調べたり、まとめたりするのは、自分の勉強にもなるので!!!
ではまた!!

↓創作活動はこちら


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