私の癖者
私にとっての癖者
それは、家族である。
特に、母方の一族だ。
私は、祖母のように慕っている大叔母がいる。
呼び名は、ニャンニャン。
生まれた時からこう呼んでいる。家族の中では諸説あるが、モンスターズウィンクの女の子がサリーを呼んでいたことを、母の従兄弟が真似をしたことから始まったらしい。
とにもかくにも、ニャンニャンはニャンニャンなのだ。
ニャンニャンは、私の亡くなった祖父の妹だ。そうだ、ニャンニャンの話をする前にその祖父の話をしよう。
祖父は5人兄妹の長男で早くに父を亡くしているため、一家の大黒柱だったようだ。
そんなしっかりした祖父は、わんぱく自由な自分の兄妹や私の母を育て上げた。私も幼い頃は、病院へ母と連れて行ってくれたり留守番の日に一緒に過ごしたりと定期的に会っていた。
しかし、小学校入学を境に、習い事や勉強に追われて、会う頻度が少なくなった。年に一回会うかどうか。会っても恥ずかしさか、ろくに話もせずお年玉だけもらって終わり。そんな仲になっていた。
高二の冬。
祖父は突然亡くなった。
私は、祖父の最期を見れなかった。
お葬式にも行けなかった。声もかけれなかった。
母と祖母の関係が良好ではなく、祖母がなんの知らせもないまま、祖父を葬儀に出した。
私は、そのことに対する怒りの感情より
この前まで会ってた人が亡くなったんだ。
もう逢えないんだ。
と心にぽっかり穴が空いた気分になった。
逢いたかった。
もっと話せばよかった。
もっとおじいちゃんの話を聞けばよかった。
こんな後悔はもうしたくない。
私は祖父の兄妹である家族ともっと仲良くなりたい、大切にしたいと強く誓った。
では、ニャンニャンの話に戻そう。
ニャンニャンは5人兄妹の4番目。
今年で70歳になるが、頭は金髪で料理も掃除も家事はしっかりやっている。
ちなみにベビースモーカーで昔は酒飲みと、かなりのヤンチャだ。
だけど、心は繊細で祖父が亡くなった時もしばらく元気はなかった。ショックで立ち直れるか不安になる程だった。普段も人に敏感で、苦手な人だと人が変わったように黙り込む。
そんなニャンニャンの1番の癖ポイントは、道で
オンニー
と韓国語で叫ぶことだ。
しかも、ニャンニャンの車と私の車が隣に並んだ時に窓を開けて叫んでくるのだ。
ちなみに、オンニーは韓国語でお姉さんという意味らしい。しっかり意味も理解している。
あぁ、思い出すだけで笑いと恐ろしさが襲ってくる。
こんな癖者の妹がいるということは、みなさんご察しの通り他の兄妹たちもこんな調子なのだ。
この兄妹を、育て上げた祖父はなんて偉大なんだろう。
生前、祖父はずっとキャベジンを飲んでいたらしい。そりゃこの兄妹がいたら、胃も痛くなるよ。
私はこの癖者家族でよかったって心から思っている。だって、誰よりも刺激があって楽しいから。
だから今度は私が支える番。
おじいちゃん、天国からパワーをかしてね。
みなさんも家族との時間を見直してみませんか?
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