令和6年予備試験論文 刑訴

条文は引いたけど省略
もっと事実を評価した気がするけど再現できない
逆に設問2はあてはめがもっとぐちゃぐちゃだった


 設問1
1 「事実」とは犯罪事実をいい、「証拠」とは適式な証拠調べを経た証拠をいう(条文)。
2 事件1の犯人が甲であることを事件2の犯人が甲であることを推認させる間接事実として用いることは、同種の前科証拠による犯人性の立証が実証的根拠の乏しい人格的評価によって誤判に繋がるのことを防止するために排除すべきという趣旨が妥当するから原則として証拠能力が認められない。もっとも、過去の犯罪事実が顕著な特徴を有していて、今回の犯罪と相当程度類似すること自体から両事件の犯人が同一人物であることが推認できる場合には、証拠能力が認められる。なぜならこの場合であれば、同種前科証拠という悪性格によって実証的根拠の乏しい人格的評価には繋がるとは言えないからである。
3 たしかに事件1.2は黒色の軽自動車で背後から衝突して被害者を転倒させたあと、大丈夫ですか、などと声を掛け強盗ではないことを装ったのちに所持品を奪い取るという態様が共通している。さらに同事件はどちらも午後10時、11時と同日の夜間に連続して一戸建て民家が並ぶ住宅街で起きており、さらに被害者はどちらも30歳代、50歳代中年以降で一般的に若年層より経済的に余裕がある層であることも共通している。しかし、これらの特徴はすべてひったくりによくある特徴であり顕著な特徴とまでは言えない。したがって本件では過去の犯罪事実が顕著な特徴を有しているとまでは言えないため、類似前科の事実を犯罪傾向があるものとしてその犯人性の推定に使うことになるから、証拠能力は認められない。
設問2
1 甲は自らが軽自動車にぶつけた事は争わず、強盗罪(条文)成立に必要な、暴行が財物奪取の目的でされたことを否定しているからかかる目的が暴行時にあったかが争点となっている。
2 財物奪取意思の有無認定は強盗罪の成立に関わるから上記類似前科証拠を排除する趣旨が妥当する。もっとも犯人性自体を類似前科証拠により推認する場合と異なり、財物奪取意思の有無の推認には犯人自体を取り違えるという誤判のおそれは少ない。そこで類似前科証拠を証拠として採用する必要性があり、被告人にとっても相当といえる場合には証拠能力が認められると解する。
3 本件では、甲の強盗の故意が争点となっており、事件2では被害者は所持品を取られるまだに至っていないため事件1で強盗の故意があったことを証拠として事件2の強盗の故意を推認する以外強盗の故意を証明できる証拠がない。したがって必要性は認められる。また、上記の通り事件1と事件2は犯罪地域、日時、ターゲット、後ろから軽自動車をぶつけた後に、声かけをして財物を奪うという態様が共通していることから事件1を事件2の故意を推認する証拠として用いても誤判のおそれが大きいとはいえず甲にとっても相当といえる。
4 よって証拠として用いることができる。
以上

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