有利に起業!特定創業支援事業のすすめ
創業・独立を考えている方にとって、「どんな知識が必要なのか」「資金はどのように準備すればよいのか」といった不安は尽きないものです。そんな方を対象に、ちょっとしたことで有利に起業できる方法があることをご存知でしょうか。
今回は、創業予定者を支援する「特定創業支援事業」について、メリットと活用方法をご紹介します。
特定創業支援事業とは?
特定創業支援事業は、創業希望者に対して、金融機関や商工会・商工会議所などの地域の支援機関が実施する支援制度です。
【対象者】
・これから創業を予定している方
・創業後5年未満の方
【支援内容】
・経営知識の習得
・財務管理の基礎
・人材育成の方法
・販路開拓のノウハウ
事業運営に必要な「経営」・「財務」・「人材育成」・「販路開拓」の4つのノウハウを網羅的に習得できるプログラムとなっています。
主なメリット
特定創業支援事業を受けるメリットは以下のとおりです。
1. 登録免許税の軽減
会社設立時の登記費用が半額になります。
・株式会社:15万円 → 7.5万円
・合同会社:6万円 → 3万円
・合名・合資会社:6万円 → 3万円
※それぞれ最低税額等の場合
2.創業関連保証の特例
信用保証協会の創業関連保証を、通常より早く利用できるようになります。
・通常:事業開始2か月前から
・特例:事業開始6か月前から
なお、以下の条件を満たす必要があります。
・事業開始前であることが要件
・別途審査あり
3. 創業融資の要件緩和
日本政策金融公庫の創業融資において、自己資金要件が緩和されます。
・通常:創業資金総額の1/10以上の自己資金が必要
・特例:要件を満たしたものとして取り扱い
なお、以下の条件を満たす必要があります。
・創業前または税務申告を2期終えていない
・別途審査あり
4. 開業資金の利率引き下げ
日本政策金融公庫の新規開業支援資金を、優遇金利で利用することができます。
・通常金利からの引き下げ
・返済期間等の条件は通常通り
なお、以下の条件を満たす必要があります。
・別途審査あり
5. 各種補助金への申請資格
様々な補助金の申請要件として認められます。
・小規模事業者持続化補助金の「創業枠」
・自治体独自の創業支援補助金
・その他の創業支援制度
支援制度の内容や要件は自治体によって異なっている場合があります。起業する地域の自治体のホームページでご確認ください。
取得する方法
特定創業支援事業の認定を受ける流れは次のとおりです。
1. 支援対象となる講座の受講
認定に必要な講座は、以下のような形式で受講することが可能です。
・金融機関や商工会・商工会議所での個別相談を受ける
・対象となるオンラインセミナーの受講
・上記の組み合わせ
2. 一定期間の支援を受ける
事業に必要なノウハウを習得したと認めてもらうためには、以下の条件を満たす必要があります。
・1か月以上の期間にわたる支援
・原則4回以上の支援を受ける
・経営・財務・人材育成・販路開拓の4分野の受講
3. 証明書の取得
受講が完了したら、以下の通り手続きを行いましょう。
・市区町村に申請し、証明書を発行
・有効期限は通常1年間
・証明書は各種支援制度の申請時に必要
対象となるセミナーを受けることで、半日で2つのノウハウを習得する方法もあります。地域の創業支援事業者がどんな支援を行なっているか調べてみてください。
活用のポイント
特定創業支援事業を活用するば場合のポイントは次のとおりです。
1. 早めの情報収集
認定には少なくとも2〜3ヶ月要しますので、早め早めに動いていきましょう。
・創業予定の6か月以上前から準備
・地域の支援機関への相談
・開催スケジュールの確認
2. 計画的な受講
起業準備を行いながらの受講になりますので、無理のないスケジューリングが大切です。
・自身の予定に合わせた講座選び
・必要な分野の優先受講
・欠席への注意
3. 支援制度の活用
自分が使いたい支援制度を事前に検討しておくと、より効果的に活用することができるでしょう。
・各種支援策の期限確認
・申請要件の事前確認
・必要書類の準備
自治体によって講座の内容や支援内容、どの支援制度に使うかで証明書の有効期限も異なっています。事前の下調べをしておくことが有効活用の鍵となります。
まとめ
特定創業支援事業は、以下のような方に特におすすめしたい制度です。
・創業に必要な知識を体系的に学びたい
・創業時の費用を抑えたい
・公的融資や補助金を活用したい
それほどではない手間で大きな効果が得られますので、開業準備中の方は、ぜひ検討してみてください。ただし、以下の点には注意が必要です。
・実施時期は地域により異なる
・受講には一定期間が必要
・証明書の有効期限がある
創業をお考えの方は、まずは自治体や最寄りの支援機関に相談してみることをお勧めします。支援担当者が丁寧にアドバイスしてくれるはずです。
創業時の様々な負担を軽減できる特定創業支援事業。あなたの創業をより確実なものにするために、ぜひ活用を検討してみてください。