お狐様参りに行った話
(2015年6月の日記より)
山形→東京→山形→東京→山形と、なんだか最近引越貧乏まっしぐらっていうかすでに預金残高心もとないワタクシですが、男の40代から来るアレなのか単純に枯れてるだけなのか、ああ、心の預金残高も乏しいわあ…(やかましいわ)と憂鬱に飲まれる回数も日に日に増えて参りましてですね、趣味のウクレレをひょいと持てば必ずゴッドファーザー愛のテーマを奏でるといった始末で、ゼルダで言えばハート半分、マリオで言えばクッパの手前でちび状態、ドラクエで言えばMPは0、FFで言えば俺は実はFFシリーズ嫌い、とまあいわゆる末期。
やっべーなこりゃイカンなと。ついに神頼みだなと。つきましてはお狐様にお参りしてこようじゃないか、ねぇおまいさん、そうだなぁいっちょ出かけるか…おっといけねえ仕事がまだ残ってたい、あいかわらずせっかちだねぇ早く済ましちまいなよ、なぁに言ってやんだいこんちきしょうめこちとら女の身支度より仕事が早えんだお前はいいからその汚ねえ面に白粉ぺたぺた塗ってやがれってんだ、なんだいおまいさん偉そうなことぬかす割にはまだブラインドタッチできないのかい、うっせバーカバーカ!ブース!鬼軍曹!女なんか犬に喰われろ!ワンワン!うるさーい!!俺の脳に耳からトゲトゲの円錐を入れようとするのは誰だぁー?!…てなわけで依頼されてた仕事は帰って来てからやることにしましてですね、出かけましたよ朝早くから。
…え?一人ですよ。そう。
えっなんか文句でも?
お狐様ってのはもちろん『宮城蔵王キツネ村』の生キツネですよ。ネットでも評判ぽくて、あちこちでかわいいキツネの画像を見かけます。癒されたいんですよこんなキンパツでイカツイ自分でも。今住んでる山形県庄内からは車で3時間弱。まあ遠い。近いが、遠い。
まあいきなり出落ち気味なキングコングがツッコミ待ちのお出迎えしてくれてるんですが残念ながら寂しい男の一人小旅行なのでそこは無言でスルーですよ。
「いらっしゃいませ入場料大人1000円です」
「(油揚げ忘れたんですけど大丈夫でしょうか)」
「それでは施設のご説明をいたします」…
女性スタッフさんにテレパシーが通じず、ああ、この人も僕と同じ星の出身じゃない…そういやこの人鼻の穴が二つある!…とおとなしく説明を聞いていざ入場。
「あらーーー〜!!ワンちゃ〜〜ん♪」と近所の犬と同じ感覚で手を出すと噛まれるそうです。しかも100%!気をつけましょう。
あと場内は蚊とか蚊とか蚊とか蚊とかがけっこう飛んでますので、事前の虫除けスプレー忘れずに。
あと足元は汚れてもいいような靴、服装がおすすめです。
(そういや腕と脚丸出しの金髪の外国人ネーちゃんが旅行かなにかで来てたけど、ありゃだいぶ刺されたんじゃないかなあ)
まあ備えあれば憂いなしってことで。
レッツお参り!
ていうかいきなりいらっしゃる!
当たり前だけど犬と違って吠えないし、場内はすごく静か。
いないのかな?って思ってても、実はあちこちにいらっしゃるのだ。
寝てらっしゃる。
寝てらっしゃる。
とにかく寝てらっしゃる。
しかし…
なにかってーと二頭一緒なんだよなあ。つがいかな?
狐「あら?お一人様?」
ぼく「ええ、まあ」
狐「…見て見て、ぼっち野郎よ」
狐「しーっ、あんま見ちゃダメだって」
ぼく「あ、どうぞお気になさらずに。すみません。生きててすみません」
黒いやつ。
白いやつ。
狐のベッドがたくさんあるゾーンを歩く。
昼間はとにかく寝てるんだな。
近寄ってもまるで警戒しない。
無防備。というより慣れっこ。というより人間よりもエサにしか興味がないって感じ。
写真だけだとさわさわモフモフしたい衝動にかられるが、おさわりは禁止だし実際まあまあ臭いよ。
子狐様たちは別に檻で飼育中。
近寄ると寄ってくる。かわいい。
子狐「(ちっ、エサじゃねーのかよ)」
子狐の方は犬っぽい表情を見せるねえ。
夏の毛の生え変わりの時期のなか、モフモッフーなやつもいましたよ。
こいつのあだ名はきっと『中ボス』。もしくは『荒井注』だな。
白いのはなんかオオカミぽくて格好よかったし。
てなわけで、生お狐様を堪能して心が洗われたので、明日から真人間に生まれ変わって心ゆくまで寝坊します!
…そして洗い物は明日やります!
滞在時間2時間足らずの強行軍だったけど、行ってきてよかった。
きっとご利益あるぜ!
みんなも行ってみるといいよ!
安全運転で、無事に帰宅。
しかし、仕事はキャンセルに。
(やっぱ油揚げ必要やったんやぁ…!(震))
★おしまい★(俺が)