大恥じをかいた30歳

それは突如訪れた。

私の会社には毎日朝礼というものが存在する。
どんな内容を話してもいいし、何分話さなければならないという時間の縛りもない。

私は大勢の前で話すことが苦手だ。
むしろ得意という人はいるのだろうか？
今まで３０年生きてきて、得意だと言っている人を見たことがない。

朝礼はみんなで交代して回すので、回ってくるのは、2か月に１回程度。
お偉いさんも朝礼には参加していて、
尋常な雰囲気のもと、話さなくてはいけない。
約３０人の前で、お話しをしなくてはならない。

朝礼の日の仕事は、前日から憂鬱だ。

話す内容はおおむね決まっていた。
なぜ、おおむねなのか？
実はガチガチに内容を決めて、人前で話した時に、
話す内容を忘れてしまって、頭が真っ白になる。
そのままどうすることもできずに終わってしまった。という経験があったから。

ものすごく落ち込んだ。
人と会うことが嫌になった。
むしろその当時は、朝礼以前に精神状態は悪く、
普通に人と会話することも避けていたくらいだ。

その時に学んだこと、丸暗記して話しをすることは、忘れてしまった時に、
対処できずにパニックになって、話せなくなるということだ。
何が伝えたいのかを１つに絞って話す。
それだけシンプルに考えることで気が楽になる。
人間はたくさんのことを同時に考えられないから。

そんな経験をし、改善して臨んだ朝礼。

とてもシンプルな内容で臨んだ。
新年度は環境が変わることで、ストレスがたまりやすいから、
事前にストレスがたまりやすいと知っておくだけでも、
ストレスが軽減されるということ。
私は新年度のスタートを気持ちよく切れるようにしたい
と言いたかった。

が、しかし、

新年度はストレスがたまりやすい時期です。
みなさまもストレスがたまりやすい時期だと認識しておくことだけでも、
ストレスは軽減されるそうです。

そして、、、

あれ？何いうんだっけ？

少しの沈黙、、、

やばい、変な空気が流れている。

周りを見ると、心配そうに見つめる人たちの姿。
少し笑っている人もいただろうか。

その瞬間、心臓がバックンバックン自分に聞こえてくる。

すでに頭の中は、真っ白だった。

なんとかしないと、と思った私は、