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投球動作と胸郭

胸郭の動きって複雑でわかりにくい。。。

「胸郭」の運動の理解に苦手なイメージを持つ方は多いかと思います。

今回は胸郭の運動について、投球動作を通して解釈していきます。

投球動作は下半身の力を体幹を経て上肢に伝達してボールが投げられます。

そのため、体幹部分の機能低下は上肢機能に不十分な伝達となり、上肢の過剰な運動を招いたりすることで、投球障害をきたす一要因となります。

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投球障害をきたす選手の胸郭は下部胸郭(肋骨)が閉鎖し、その拡張運動が低下した形状を取りやすくなることが報告されています。

加えて、投球動作は一側方向に回旋運動を繰り返す動作特性であるため、繰り返しの動きによって、胸郭の異常なアライメントをきたしやすくなります。

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動作の反復により、筋のタイトネスを生じ、慢性的に胸郭の拡張機能が制限されてしまいます。

今回は、この胸郭機能に着目し、投球動作との関係性を運動解剖学的に紐解いていきます。


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■胸郭の運動

はじめに胸郭の運動学からおさらいしていきます。

胸郭は,大きく分けて上位・中位・下位に分けてその動きを捉えていきます。

上位胸郭:Th1-6
中位胸郭:Th7-10
下位胸郭:Th11-12

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運動様式として肋椎関節を中心に以下のように分けられます。

上位胸郭:矢状面上の動き/前傾・後傾
→ポンプハンドルモーション
中位胸郭:前額面上の動き/挙上・下制
→バケットハンドルモーション
下位胸郭:水平面上の動き/拡張・閉鎖
→キャリパーモーション

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■投球動作に求められる胸郭機能

つぎに、投球動作において胸郭にどのような動きが必要とされるのかについてまとめていきます。

体幹の動きに着目します。
投球動作は投球方向に体幹の回旋
最大外旋からリリースにかけて伸展→屈曲
繰り返す動作になります。

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体幹回旋

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右投げの選手の場合、投球動作において、胸椎の左回旋運動がされます。
そのため、右側の肋椎関節は前方回旋し、左側の肋椎関節は後方回旋していきます。

投球による繰り返しの回旋運動により胸椎の右側屈・右側胸郭下制/左側挙上したアライメント形成につながりやすくなります。

前方回旋位であると、水平内転動作では制限がみられます。


伸展→屈曲運動

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伸展→屈曲運動では、体幹屈筋群の制御がなされます。
そのため、腹直筋や腹斜筋の筋伸張性が低下しやすくなり、特に下位の投球側(右投手の場合:右側)の拡張が低下したアライメントにつながりやすくなります。

下位胸郭の閉鎖した側では、動画のように回旋させると、反対側に重心移動したり、上肢の外転が不十分な運動を招いた回旋運動を代償した動作につながっていきます。

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■胸郭機能障害をきたす阻害因子

先程お伝えした、投球動作の特性から回旋運動伸展→屈曲運動の繰り返しにより胸郭のマルアライメント・可動域に制限がみられます。

①回旋運動による胸郭の運動制限

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先述した胸郭のマルアライメントにより、胸郭の形状は、投球側の下位肋骨が閉鎖しやすくなります。
そのため、下位肋骨は拡張性が低下していきます。

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中位・下位胸郭は下制/閉鎖したアライメントにより、胸骨は前傾されやすくなります。
胸骨が前傾方向に動くことにより、 上位胸郭も前傾し、上位胸椎は屈曲方向に下げられることで、頭部が前方に偏位した姿勢(head-forward)へと繋がってきます。

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