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2021年6月の記事一覧
ドリームキャッチャー【短編小説】
背もたれに体を預けて空っぽの部屋を見ていた。引っ越しの業者が、手際良く段ボールを運び出している。
私の荷物は案の定、少ない。
そもそも物がないんだもの。
「えーっと、指定されたお荷物は以上ですが何か他にありませんでしょうか」
帽子を取り、日に焼けた顔で聞いてくる。
優しい事に、目線まで合わせて。
「大丈夫です、搬入もよろしくお願いします。私も後から行きますので」
逞しく筋肉が付いた腕で帽子を
背もたれに体を預けて空っぽの部屋を見ていた。引っ越しの業者が、手際良く段ボールを運び出している。
私の荷物は案の定、少ない。
そもそも物がないんだもの。
「えーっと、指定されたお荷物は以上ですが何か他にありませんでしょうか」
帽子を取り、日に焼けた顔で聞いてくる。
優しい事に、目線まで合わせて。
「大丈夫です、搬入もよろしくお願いします。私も後から行きますので」
逞しく筋肉が付いた腕で帽子を