小学校の専門委員会

不意に小学生の頃に色々な委員会があったことを思い出した。
生活専門委員、図書専門委員、給食専門委員、放送専門委員。
多分これはどの学校にもあって、みんなも何かしらの委員会に属していたと思う。かくいう自分も色々な専門委員会に入った記憶がある。

古い記憶を探って思い出せるのは、リサイクル専門委員だ。この委員はクラスで集めたプルタブを回収したり、ベルマークを仕分けたりする委員会だった。たしか月に一回ぐらい放課後に集まって、回収作業を行っていた気がする。リサイクル委員に関してはそこまで記憶が無く、このくらしか思い出せない。

あとやっていたのは図書専門委員だ。これは昼休みの図書室の受付で本の貸し出し作業をする委員会だった。バイトみたいに毎週シフトを組んで担当を決めていた。

覚えているのは、図書委員だった時はよく本を読んでいたということ。文字通り本が身近にあったのと、受付に誰もやってこない間は暇だったので読書をするしかなかった。

当時読んでいたのはデルトラ・クエストとかダレン・シャンみたいなファンタジーの本だった気がする(ダレン・シャンはめちゃめちゃハマっていたので今でもストーリーを覚えている)。

一つ年が上の先輩がデモナータというシリーズをやけにおすすめしてきたのも覚えている。
「この本は両親がこんな風に殺されるんだよ」とその本のグロテスクポイントを血走った目で熱心に説明していた。
「そうなんですね」と少しは興味を持って読んではみたけれど、難しくてよくわからなかったので、母親に代わりに読んでもらってざっくりとストーリーを教えてもらっていたような気がする(今で言うファスト映画みたいなことをしている)。

あとは放送専門委員というのもあった。給食時間にお昼の放送を流す委員だ。自分はこの委員会に入ったことは無かったが、定期的に生徒にインタビューをするコーナーに出たことはあった。質問は一問一答で

「クラスと名前を教えて下さい」
「○年○組コウイチです」

「好きなお笑い芸人を教えて下さい」
「小島よしおです」

「好きなテレビ番組を教えて下さい」
「爆笑レッドカーペットです」

「クラスで一番面白い人を教えて下さい」
「〇〇君です」
教室「(大爆笑)」

みたいな感じだった気がする。今ではただの小規模な校内放送に思えるけど、当時の自分はそれだけで大スターになった気分だった。まだ小学生というワールドマップに学校しか表示されていないような時期だったから自分の中ではそれでも大スターなのだ。

自分が低学年の時にお昼の放送でずっと同じ曲が流れている時期があった。教育番組で流れてそうな歌のお兄さんチックな曲。
「アイ、アイ、アイアイビーム。アイビーーーム!!!!」
という歌詞だったのは覚えている。なんでこのヘンテコな曲ばかり毎日流れてるんだろうと謎だった。そこで当時放送委員だった姉に詳細を尋ねた。

「あのアイビーム!って叫ぶ曲はなんなの?」
「あ〜あれはね、〇〇君がふざけてずっと流してるだけ」
「そうなんだ」

ただ一人の生徒がふざけているだけだった。お昼の放送で流れる曲は、元々放送室にストックされているCDの中から選ばれる。その中で〇〇君は「アイビーム!」という謎の曲を見つけひたすらにそれを流していた。
あのセンスはなんだったのだろう。

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