vividbird「TORIKAGO」歌詞考察
ビドバの歌詞考察第三段です。お気づきの方もいるかと思いますが、ビドバの曲って歌詞を公開していないので、毎度歌を聞きまくって歌詞に起こすところからの作業なんですね。なので、間違っているところも数か所あるかと思いますが、ご容赦ください。
最近はビドバなの?リンワンは?という声も聞こえて来そうですが、「人間の成分」「TORIKAGO」という組み合わせでお察しください。…嘘です。そのような意図はありません(笑)。
「死んだように生きよう」とか「この世に未練はありません」なんて、穏やかじゃないフレーズが聞こえるので、全体としてどんなことを言っているのか気になっていたんです。
この曲もsituasion、AFTERSのプロデューサーでお馴染み、ヨロコビ氏の作詞です。論理ボーイ、人間の成分、GPG、目撃者Aと5曲(弱いオタクなので夜風の作詞は知りません)も作詞してるんですね。
朝も夜もない、変わらない風景、これを慣れるまで繰り返しているということから、5つの可能性が浮かびました。
①素直に鳥籠
②引きこもり
③ライブハウスに通うオタク
④ ライブハウスに通うアイドル、スタッフ
⑤Twitter(配信開始2023年7月7日当時は青い鳥でした)
「私の世界を」「死んだように生きよう」から、②の可能性を考えがちなのですが、僕はあえて④を選択したいと思います。なぜなら、この後から「私」と「あなた」という言葉が頻繁に出て来るんです。
「2回ほどの餌の時間」というのはよくわかりませんでした。鳥の餌にしては少な過ぎです。ライブ&特典会?と考えればしっくりきますが、断定するには材料が足りません。
「ただ死んだように生きよう」で更にわからなくなりました。引きこもり説かTwitter説に逃げたいです。嫌々活動しているアイドルという解釈もできますが、やはり材料が足りません。
サビはプロデューサーから担当アイドルへのメッセージに聞こえますね。
無理やり話を作るとすれば、グループの方向性への食い違いから感情がすれ違ってしまい、不本意な活動をしていたのがAメロ。
となると、あの世は転生を示しているのでしょうか。すると、鍵を外す=卒業を認めるように聞こえます。こんなグループで寄り道せずに自由に生きろ、そこそこのアイドルで終わるくらいなら俺の顔に泥を塗ってでも飛び出して行け、と熱いメッセージですね。とりあえず意味は通ります。
最後は「しゅうじんのあと」と聞こえるのですが、上記のように意味を通すなら「主人(=プロデューサー)」かな、と思いました。
もう後戻りはできません。プロデューサーとアイドルの物語で通して行きます。すれ違いのきっかけは些細な勘違い。そもそも、プロデューサーが自身(のグループ)に限界を設定してしまったからでした。
「カーテンの先にたまに見える空」は大手メディア、ひいてはそこに出演する地上アイドルのことでしょうか。地下アイドルにとっては現実離れした世界に見えます。
TORIKAGO=ライブハウス、地下アイドルグループに留まっているアイドルですが、空を飛ぶことは諦められません。プロデューサーにそう目で訴えてきます。
このグループに未練はありません、と半ば卒業を決意するアイドルですが、心残りは目の前のファンとメンバー、スタッフたちです。
そこで、「憧れていただけ」と方向転換します。
皆は全てを察したのか、憧れの気持ちを抑えて活動を続けるアイドルに感謝します。
弱い立場であるプロデューサーもアイドルも、流れに逆らって急激に人気を集めたり、集客の減少を食い止めたりはできません。川や風の流れに身を任せるように生きていくしかありません。
そして、待ち受けるのはいつものライブハウス。これも運命と受け入れるしかありません。そんな自分たちを自嘲します。
アイドルがグループに留まると知り、プロデューサーは安堵しつつも「寝言は寝て言え」と憎まれ口を言ってしまいます。アイドルも負けじと「そのままお返しします」と返します。儚い道を選んでしまった似た者同士です。
他人から見たら鳥籠でも、閉じ込められているのではなく、自分の意思で。本能でここだと感じるこの現場で、まっすぐに頑張っていこうと決意したのでした。
という訳で、地下アイドルとそのプロデューサーの悲哀を描きつつ、それでも前に進もうという形で終わるストーリー、という解釈にまとめました。こんな話はそこらじゅうにあるのかもしれません。
鍵というフレーズからTwitter方面からの解釈も捨てがたいところでしたが、一番話としてまとまった案を表に出しました。
また何か新しい解釈がまとまったら記事にするかもしれません。それでは。