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夢と現実の境

10月の末の雨の日。
金木犀が盛大に香っていた。

オレンジ色がそこら中に広がって
やっと秋なんだと思えた


大学の通学路にも金木犀が香る場所があったのをふと想い出した。




さっきまで見ていた夢が、ふっと消えていく瞬間に
なんとも言えないさみしさを感じた

夢と現実の境に、記憶の曖昧さと不可思議を想う



本当に些細なきっかけで。
普段は端の方にキレイに片づけている、ように見せかけている不安とか焦りとかが、一気に溢れてしまって、涙が出て、止まらなくなってしまった夜。

あぁそうか。僕は。…不安なんだ。

と、おもった。

竹澤汀さんのあとすこし夜のほうが聴きたくなった



僕をココに引き止めるモノは

夢なのかも現実なのかも
わからなくなってしまったような記憶


夢と現実の境みたいな曖昧な記憶



不安とか焦りとか、現実的で不確かな感情が。
もっと不確かでよくわからない
夢みたいな曖昧な記憶に誤魔化されてれいく。


まったく。

記憶というものは。


なんてやっかいなのだろう…





諦めきれやしない感情と
どうにもできない自分の狭間で


もっとカンタンに、見切りをつけてしまえたら良いのに

…なんて呟いてみて

次の瞬間には、ありえない、と想う。




現実なんてこんなものだ…

と。思えたら。
いっそラクなのかもしれない。


なんて。想ってみたところで。
次の瞬間にはありえないと思っているのだから。

しかたがない…



しかたがない…
と、つぶやきながら



さっきまで見ていた夢が、ふっと消えていく瞬間の
なんとも言えないさみしさを…

なんとも言えない希望にしてしまってもいる


確かなことは何もわからないけれど

忘れるということも思い出すということも
もっとちゃんと信用していこう…
と、思っている。


忘れるはずがないと思った日があったことを
忘れてしまっていたことも

思い出せてしまったことも


きっともっとちゃんと、信用していい

だってたぶんあの日の僕は
ちゃんとこころが動いていて

目の前の出来事を、しっかり大事にみていたから


忘れてしまうことは
なくしてしまうことじゃない…

ずっとあることが、わからなくなっているだけで

一度起きたことはきっとずっと、ある



思い出すべき時に、思い出せる



夢の中の出来事もきっとそうで。
だから今日も。




忘れることを過度におそれないで。


今、を。しっかり。たのしめるように。




と。自分に言い聞かせて。

たのしいたのしい夢をみに…眠ります