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珍しいビオラのミニマル・ロック ジョン・ケール「ウォール」
言いたいこと☆彡
ジョン・ケールは、ヴィオラを演奏する珍しいロック・ミュージシャン
彼のWallという曲は、ロックとミニマル・ミュージックを繋いだミッシングリンク
ビオラ(Viola)っていう楽器、頭に浮かびますか?
私はジョン・ケールを聴くまで知りませんでした。
ジョン・ケールはヴェルヴェット・アンダーグラウンドのメンバー。
フロントマンであるルー・リードとの方向性の違いから、バンドを脱退し、ソロ・ミュージシャンとしての道を歩みます。
そんな彼のデビュー作が、「ヴィンテージ・バイオレンス」。
このアルバムの再発に際して、ボーナストラックとして付け加えられたのが「ウォール」という曲。
ジョン・ケールはギターも弾きますが、ロックミュージシャンになる前は、現代音楽やクラシックを学んでいました。そういう経緯もあって、彼はビオラも弾けました。
ビオラっていうのは、バイオリンよりでかくて、チェロやコントラバスよりは小さい楽器です。こういえば、楽器のフォルムはあたりがつくかと思います。
今上の天皇陛下もたしなむ、由緒正しい楽器でもあります。
しかしながらこのヴィオラ、いかんせん音が地味…
ヴァイオリンやチェロみたいにリードやメロディ、即興が取れる感じではなく、コントラバスのようにドスが利いているわけでもない。
もしかしたら、いてもいなくても同じ?と軽視されそうな楽器です。吹奏楽部では、やりたがる人少ないんじゃないでしょうか。
でも、ジョン・ケールのウォールを聴くと、ビオラってこんなヤバいの!?と思えます。
ウォールは現代音楽のミニマル・ミュージックを踏襲しています。
ミニマル・ミュージックとは音の動きを最小限に抑え、パターン化された音型を反復させる音楽のことで、クラシックの楽器を主に用います。
(テクノにもミニマルというジャンルがありますが、アイデアは近接しつつも、楽器からして違うので音は全然違います。)
ミニマル・ミュージックの一番わかりやすい名曲というと、スティーヴ・ライヒのディファレント・トレインズあたりかなと思います。
ウォールは、こういった文脈でジョン・ケールがビオラでミニマル・ロックやった、って曲です。
繰り返しの中の微妙な違い、音の積み重なり、音の壁、を体で感じる、サイケデリックな曲です。
初期ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの演劇的な雰囲気は、ジョン・ケールの手腕です。The black angel's death songなんかはまさにジョン・ケールです。
ということでした。
ヴィンテージ・バイオレンスは、アルバムとして聴いても名盤です!ちょいキモめなジャケットも好きです。
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