立ち止まること
その都度、立ち止まれるようになりたい。と思う。
自分の内面に目を向けて文章を書くことは、立ち止まることだ。
そのときの内面の揺れ動きを言葉という形にしたためて、それからまた歩き出す。
進む速度は、ゆっくりでいいのだ。
歩く道の途中で、嗅いだことのない香りの、見たことのない形の、だけど美しくて心が惹かれる花を見つけたとき、その前で立ち止まってそのものとそれを見た自分の心や身体のことをしるしておくこと。
それが、いまはできていない。
その花の輪郭をさっとメモしただけで、もう視線は他の花を探して、足は動き出しているようなもの。
そのしたためたものを、のちに別人になった自分が見返したら、なんのことかわからなさそうで。
もちろん、それを目に留め、何かを感じたという事実それ自体に意味はあるのだけど
でもできるならば、何を見て、何を感じ、どんな動きが起きたのかを知りたい。
わたしは常に別人のわたしを知り続けていたい。