オマージュ・トゥ・ピート・ベスト

そうか、ピート・ベストへのオマージュだったのか。

以前話題となった映画「イエスタデイ」は、ビートルズが存在していなかった別世界で、ビートル・カバーを歌うだけで瞬く間に出世する青年のファンタジー映画でした。それなりに愉しめたのですが、いったいなぜ、主人公が
インド系の青年で、彼がその世界での「一人ビートルズ」になっているのかが疑問でした。勿論、瞬時にその意味を気づいた方もいらっしゃるでしょう。いちいち説明する必要もないベストの物語、この映画とは、主人公を敢えてインド系の青年にすることでベストへのオマージュ作品としているのではないかと、皮肉な史実をファンタジーの形をかりてひっくりかえしてしまったのではないかと、そう気づいたのでした。別にこれでベスト氏の溜飲が下がるわけでもないでしょうが、逆に「この人ひとりがこちらではビートルズ」というパラレルワールドを描いてみせたという、まあそんなような塩梅の映画だったんじゃないでしょうかね。

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