「歩く」ためにひたすら「歩く」
皆さんは、BWSTTという言葉を聞いたことがありますか?
BWSTTとは、
Body (ボディー)
Weight (ウエイト)
Support (サポート)
Treadmill (トレッドミル)
Training (トレーニング)
の訳で、日本語でいうと「免荷式トレッドミルトレ―ニング」のことを言います。※トレッドミル=ランニングマシン
このトレーニング方法は歩行の改善に非常に効果があるといわれています。
そのため脊髄損傷者専門のトレーニングジムJ-Workoutでもこの免荷式歩行トレーニングを取り入れています。
このトレーニングのポイントは、
1. 立位保持困難な方でも早期に歩行練習ができる
2. 転倒の危険がなく安全に歩行ができる
3. CPG(シーピージー)の誘発に適している
の3点です。
立位保持困難な方でも早期に歩行練習ができる
身体にハーネスを装着しリフターでつるしているので、骨密度が低い方、拘縮がある方でも立位の姿勢をとることできます。また、体重がある方やカテーテルをつけている方でも安全に移動することができ立位の姿勢をとることができます。
そして、歩行練習に慣れていない方でも、膝を伸ばしたり脚を踏み出しりする動作は、その方のレベルに合わせてトレーナーが適量のサポートを行い、体幹部分を固定することもできるので前後左右にから身体が大きくブレることなく、歩行練習が行えます。
転倒の危険がなく安全に歩行ができる
リフターでつるすことによって、適切な重さを免荷し歩行の練習が行えますが、さらに万が一つまずいたり、ペースが追い付かなくなり転倒しそうになった場合でも、ハーネスを装着しているので、転倒の心配なく、おもいっきり歩行の練習が行えます。
CPGの誘発にてきしている
“CPG”についても一緒に説明していきます。
赤ちゃんが生まれた時に持っている反射で『自動歩行』という反射があります。生後間もない赤ちゃんが動いているベルトコンベアの上に足をつけると自動で足を出すという反射です。
この反応は、人にはもともと備わっている脊髄内に存在する歩行パターンを生成する神経回路網で、これを"CPG"(中枢パターン発生器)と言います。
"CPG"によって、脊髄以下の神経機構のみで歩行様の筋活動を発生することができるのです。
私たちは、歩き始めた時には大脳が「歩こう」と指令を送ることで運動が起こります。しかし、ひとたび歩き始めると、特に体幹や下肢の動作意識することなく、半ば自動的に運動を継続することができます。
話しながら歩いたり、本を読みながらでも歩くことができるのは"CPG"が働いているからです!
トレッドミルでの歩行はこの機能を高めるという非常に重要な効果を持っています。
そして、この"CPG"の機能を高めるためには、下肢に体重をかけることと、股関節を伸ばす動きを出すことが重要と言われいます。
J-Workoutのトレーニングで繰り返し行っているトレッドミルでの歩行練習は、トレーナーが片脚ずつ足をサポートしながら歩行練習を行っていきます。膝を伸ばすことで足に荷重をかけ、そのまま足を後ろまでもっていってから前に出しています。この体重をかけたまま股関節を後ろにもっていく動きを何度も繰り返し実施できるトレッドミル歩行は、脊髄内に存在する"CPG"を刺激し、さらに脳を含めた中枢神経に歩行を学習させることができるので、非常に効果のあるトレーニングなのです。
長期間リハビリから離れてしまった方、受傷してからほとんど運動をされていない方でも、もう一度立ったり、歩くトレーニングを行うことができます。もちろん、身体の状態によっては、時間がかかるかもしれません。一度トレッドミルで歩いてみたい!ちょっと身体を動かしてみたいと思った方は、ぜひお気軽にご相談ください。