「歩く」ための”漕ぐ”トレーニング
「歩く」に繋げるトレーニングの一つ。
それが、自転車を漕ぐ、“スピンバイクでのトレーニング”です。
脊髄を損傷し、手足に麻痺が残ってしまった方にとって、再び「立つ」・「歩く」ことは困難と言われています。しかし、トレーニングを継続的に行うことによって、再び自力で「立つ」・「歩く」ことができるようになる方もいます。
J-Workoutでは、「歩く」に繋がるトレーニングの1つとして、この“スピンバイクでのトレーニング”を取り入れています。
『「歩く」ためにひたすら「歩く」』の巻で紹介した“Treadmillでのトレーニング”は、同じ歩行練習と言っても、異なる点がたくさんあります。
TreadmillとSpin Bikeトレーニングの違い
Treadmillでのトレーニングは、下肢に対して荷重をかけることができ、トレーナーのサポートによって股関節の伸展をさせながらCPG(シーピージー)という歩行をサポートする体の機能に刺激を入れ歩行のトレーニングを行います。
Spin Bikeでのトレーニングは、座っている状態のため下肢への荷重はそれほどかからず、股関節の伸展もしにくくなります。
では、なぜSpin Bikeでトレーニングを行うことが歩行に繋がるのでしょうか?
1、身体の使い方の習得に効果的
Spin Bikeは通常のフィットネスジムにあるようなバイクと違い、漕ぐ際に抵抗が少ないことが特徴です。そのため、非常に弱い力でもペダルを漕ぐことができ、筋力の弱い脊髄損傷の方でも自力でペダルをこぐことが可能です。
そのため、Treadmillよりも自力で行う部分が増えることで、身体の使い方を理解しやすく動きの習得に繋がります。
2、体重移動ができる
Treadmillに比べSpin Bikeの方が体重移動を行いやすくなります。J-WorkoutでTreadmillの歩行トレーニングを行う際、安定性を高めるために腰部を固定するので、体重移動がしにくくなります。
歩行には体重移動は必須であり、その体重移動を理解するためにもSpin bikeは非常に効果的です。さらに、体重移動を行うことで体幹の使い方も同時に覚えられるため、体幹のトレーニングにも繋がります。
3、足首の動きの習得
歩行では、足首の動きも非常に重要です。つま先を上げる動きやつま先を押し込む動きが連続して起こりますが、Treadmillのトレーニングではその動きをトレーナーのサポートによって行うことは非常に困難です。
Spin Bikeのトレーニングでは、動作の中で比較的スムーズに足首の動きができ、さらに、その足首の動きを何度も繰り返し行うことができます。
実際にSpin Bikeを漕ぐ、その前に。
実際にSpin Bikeでトレーニングを行う際に、気を付けなければならない点がいくつかあります。J-Workoutでは安全を確保した上で、積極的なトレーニングを行っています。脊髄損傷の方が積極的な、アクティブなトレーニングを行う際は、病院や専門的な機関などでしっかりと相談した上で行ってください。
ペダルのケア
安全にトレーニングを行う為に、ペダルと足の固定を行います。
足を固定することで、足がペダルから落ちたり、当たったりすることを防ぎます。
サドルのケア
脊髄損傷の方の中には皮膚が非常に弱い方も多くいらっしゃいます。座面に当たっている部分が擦れてしまったり、皮が剥けてしまうことによって、褥瘡になったり、運動制限だけでなく、日常の活動制限に繋がってしまう場合があります。その方によって、ジェルパッドやマットを使用します。
また、座っている感覚がわからない方は、繰り返し漕ぐ中で、サドルからずれて落ちてしまう危険性があります。ご自身で常に座っている場所を確認しながら行うか、サポートする方が常に座っている位置をチェックしながら行います。
ようやく実際にSpin Bikeを漕いでいきます。
J-Workoutでは、トレーナーがその方に合わせて、漕ぐサポートの強弱を変えたり、膝が開いてしまう、閉じ過ぎてしまうのを補助しながら最低限のサポートで、ご本人に漕いでもらいます。
初めはなかなか上手く漕げなくても、脚やお尻の力、身体の使い方など総合的に動きを習得することによって、次第に漕げるようになり、それが「歩行」に繋がっていきます。
歩行練習と言っても、目的に応じて器具を変えてアプローチを行い、より効果的なトレーニングで「歩行」を目指していきましょう。
J-Workoutでは、脊髄損傷の方へのこのような「歩く」ためのトレーニングの無料体験プログラムを実施しています。
その方のお身体の状態にもよりますが、身体の状態をチェックした上で、立ったり、歩いたり、実際どんなトレーニングをしているのか体験することができます。
体験トレーニングでSpin Bikeの漕ぐトレーニングができるかは、要相談ですが、ぜひご興味のある方はお問い合わせください!
他にも日常生活でのお悩みなども約500名の脊髄損傷の方々と携わっている歴10年以上のトレーナーがお答えいたします♪日頃のちょっとしたお悩みなどもぜひこの際にお聞きください。