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さよならトレンド

手仕事作家と呼ばれるようになってしばらく経ちますが、何に一番困ったかといえば、ファッション=装いです。
前職ではスーツ、主に男性と打合わせをしていたので、わたしもジャケットにタイトスカート、ヒールが基本。しかも程よくトレンドを取り入れながら。

ウチの夫は機能優先脳の会社員ですが、こんなアドバイスをしてくれたことがありました。「この人に仕事を頼めばキチンといいものに仕上がる、一緒に仕事したいと思わせる格好をしなくちゃね」うん、なるほど!
それが手仕事を始めると、会う人全てがノージャケット。キチンとしたいのに、どうすればいいんだろう?

つまり、私の頭はまだまだ固かったのです。織りの勉強をしている学校で「年齢とか流行りとか、そんなの気にせず好きな格好すればいいんよ」と随分みんなに言われたもんですが…

リモートが平常になった今では、会社員の夫ですら出張以外ノージャケット。時代も変わり、私もやっと変わりました。出店先のお店や服を縫う作家さんから服を求め、やはり作家さんのブローチやバングルを身につけています。その方のセンスが生かされた、そして作り手の人柄が滲み出るような、素材にこだわったものを身につけたいと思うようになりました。
すぐに手に入らなくてもいい、出来上がるまで待つのも楽しい時間です。こうして手に入れたものは、全てが愛おしい。
わたしの身の回りの品は新陳代謝がかなり進んでますが断捨離とは程遠い現状です。

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