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ひとり親方の日々

自営業である。しかもワタシひとりでやっている。
手仕事、つまり私は作り手。作り手は無名の存在で、裏方に徹することができた民藝ブームの時代とは異なり、今は自分のつくる品は自分で世の中に宣伝して売る努力をしなくちゃいけない。

日々製作に追われながら、商品のブランディングから販売店の開拓、出店時のプロデュース、宣伝のための撮影からフライヤー作成まで、とにかくやる事が毎日ぎっしり。
お金のことだって大切だ。
商工会に入って相談したり、銀行に融資を依頼したり、補助金のための申請書類書き、経費の計算。経済観念もあるとは言えないし、簿記は全くダメでも会計ソフトが助けてくれる。

さまざまな実務をこなすのも大切だけど、一番重要なのは〝どう在りたいか〟だと思う。企業なら利益追求と目的はシンプルだろうけど、手仕事の場合は大量生産できないし、だいたい利益優先なら手仕事なんか目指していない。(一応、子育て時代の私はしっかり家計に貢献してきました)

開業して3年は無我夢中で、金銭的にも厳しかった。おかげで売上はアップして、何とか材料代には困らなくなったけど、時給換算するとたぶん最低賃金以下だと思う。
でも、これで十分。
だって、私が人生の後半に選んだこの手仕事に求めたのは「暮らしの中でものづくりをしながら、人や街と繋がり、人生を楽しむこと」である。
作ることを生活の一部として楽しみたい。どんな人がどんな想いで私の作るものを使うのか知りたい。そして、私が好きなお店に商品を置いて、お客様に見てほしい。

大変だけど、自分が主役。
自分のことは自分で決める。
自分がこれで良しと思うなら大丈夫。
ひとり親方バンザイ!である。





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