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夜を惜しむ

なりたいものになれない可能性を数えていたら、現実が流星になって夜の帳を切り裂いた。
皆が「流星の爆音がした」と言っているけれど、俺には聞こえなかった。
現実がにじり寄ってくる足音だけが、ただ鮮明に聞こえてしまった。
この夜を惜しむ間もなく、朝が現実を更新してくる。
このにじり寄る現実に。


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