『うちの子、字を書かないんです…』の理由
学齢のお子さんのご家族からのご相談でよく耳にする内容に、『字を書きたがらない』といったご相談があります。
板書をしてこないんです
連絡帳に何も書いてこないんです
漢字の練習をするときに書かないんです
などなど、字を覚えられない、とはちょっと趣が異なるご相談。
このようなお子さんに、実際に書く課題を行ってもらうと、見本があれば書ける、好きなものは書けるといったように書く場合も多く見られます。
一方で、全く書こうとしない子もいます。
こんな時、わたしたちはどんなことが頭に浮かんでいるのか。
書けないのか、書かないのか。
できないからやらないのか、できるけどやらないのか。
書くために必要なスキルとして、
音を聞いて文字に変換する(エンコーディング)
書字運動
があります。
『書けない』の理由には、
読めないから?(なんて書くんだっけ?)
運筆操作がうまくいかないから?(書こうと思ってもうまく手が動かないー)
文字の配置がうまくできないから?(この線をどこにどう書けばいいんだ?)
文字を正確に思い出せないから?(なんとなくはわかるんだけどな…)
があります。
『書かない』の理由には、
書くことの目的を理解していない?(なんで書かなきゃいけないのー)
興味がない?(書いて誰に伝えるの?)
うまく書けないから書きたくない(『書けない』の理由が関係)
があります。
これらのどこに要因があるのか、または他に要因があるのか、この沢山の『?』を頭の中に浮かばせ、1つに決めつけない。
『?』を『!』にしていく作業を行うために、様々な専門スタッフが評価をし、それぞれの結果を持ち寄り、掛け合わせ、仮説を立てて検討していきます。
機能面、言語面、興味の有無や理解力といった心理面、家庭ではどうなの?学校ではどうなの?といった場面による違いも見ていきます。
機能面などの必要な力を伸ばす取り組みは長期的なアプローチとなるため、他の方法でできないだろうかといった代替手段、書くこととは異なることでお子さんの強みを生かしていけないだろうかといった活動の転換についての取り組みといった、今のままできることも同時に考えていくことも大切です。
そして、この『書きたがらない』ことが、お子さん本人の困っていることにつながっているのか、ご家族の困っていることなのか、といった点についても、細かく、時間をかけて、お話を聞きながら探っていきます。
子どもたちが困っていることに耳を傾けることと同じくらいに、ご家族の不安を安心に変えていくことも重要であると考えるからです。
『書かない』『書けない』ことが、さらに大きな不安へとつながる前に、専門家に相談し、今できることと継続して取り組むことを一緒に考えていくことはお子さんとご家族の大きな助けとなるはずです。
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