歪んだ庇護~女性(キミ)を救いに来た男性(オレ)
振り返り② 歪んだ庇護~女性(キミ)を救いに来た男性(オレ)
前回の記事から
私が「女性」に対してもっている「あたりまえ」の感覚から
自分のなかにある「女性に対する暴力」について向き合い
文章にすることを始めました。
今回はその2回目。
前回、男性(オレ)はヒーロー
女性(キミ)はヒロインというイメージについて書きましたが
今回もその続きです。
女性(キミ)は弱い存在
「女性」に対して
守ってあげなければいけない弱い存在
というイメージがあります。
そのイメージがいつから始まったのかはわかりません。
ヒーローの助けを待っているヒロイン
ヒロインの「助けて!」という声
そのピンチに駆けつけるヒーロー
「女性(キミ)を救いに男性(オレ)が来た!」
「月に代わってお仕置き」をする
あの戦う「女性」たちでさえ
ピンチになると「男性」ヒーローが助けに来る
「男性」より弱い「女性」
「女性」より強い「男性」
「女性」を救いに来る「男性」
「男性」に救われる「女性」
「女性(キミ)を守るためそのために生まれてきたんだ」
そうやって「女性」を守る「男性」ヒーロー
ヒーローはそうして
守る存在があるからヒーローなのです。
「君を守るため、そのために生まれてきたんだ」
そんな歌詞がありました。
そうして守られた「女性」は
「男性」ヒーローを尊敬し
その力強い存在を慕います。
そこに「男性」の名誉があり
「男性」の存在意義がある
そんなイメージが
無意識のなかに刷り込まれています。
「危ないから下がってろ!」
「女性は男性の半歩後ろを」なんて
古い時代の古い男女観……
だと思っていた自分も
あたりまえのように
「女性」を自分の後ろに下がらせている
「危ないから」と
「弱いから」と
「君を守るため」と
でもそれは本当は
そうやって自分がヒーローになるため
そうやって自分の存在意義や名誉
「男性」としての「強さ」を確認するため
強い男性(オレ)はかっこいい。弱い女性(キミ)は美しい。
ヒロインを助ける強いヒーローはかっこいい。
ヒーローに助けられ恋に落ちるヒロインは美しい。
女性(キミ)を守る男性(オレ)
男性(オレ)に守られる女性(キミ)
女性(キミ)を助ける男性(オレ)、強い男性(オレ)はかっこいい。
男性(オレ)に助けられる女性(キミ)、弱い女性(キミ)は美しい。
そのイメージによって
「女性」を大切にしている、守っている、可愛がっている
――庇護している――ようで
「女性」を「男性」である自分よりも
弱く、劣った存在として見ていたのではないか
いやむしろ私自身が
「女性」にそうしていたのではないか。
「女性」を「男性」よりも
弱く、劣った存在にしていたのは
私自身だったのではないか。
「危ないから」
「弱いから」
「守るから」
「下がってろ!」 と。
お読みくださりありがとうございます。
「女性(キミ)と男性(オレ)」シリーズの目的は以下の通りです。
・自分が男性として、いかに女性に対して暴力的である/あったか
過去のエピソードとともに振り返ること。
・自分の男性性と女性に対する暴力性、
自らに染みついている無意識の偏見や(女性)差別を言語化すること。
・それらに決して妥協することなく、
より具体的に「非暴力」への歩みを進めていくこと。
筆者以外にも、自分の男性性や暴力性、加害性に悩み、
それらと向き合いたい、なんとかしたいと思っている方が、
自ら考え取り組むきっかけや助けになることができればなお嬉しい。
感想やご意見なども歓迎します。