Mr.ぽんすけ

「丁寧な暮らし」「おいしい生活」を送る人を横目で視認しながら、ギリ生きているでおじゃる!

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最近の記事

大人になって観返す『ミュウツーの逆襲』:反出生主義と歴史改変

大人も感動する子ども向けアニメ映画 「日本文化」と言えば「アニメ」と「漫画」と言えるくらいに、「アニメ」はポピュラリティーを獲得し、「クールジャパン」だのなんだのでは筆頭格に挙げられますが、かつては「子どものもの」「大きくなったら卒業するもの」という一般理解がありました。  だからこそ、「アニメを見続けている人」=「オタク」=「幼稚」というような図式で見られることがあったわけですが、今やそんな考えをする人は少数派だと思います。  時代とともに、アニメの数は増え、対象年齢も

    • あらゆるクリエイターの方に観てほしい映画(?)『映画:フィッシュマンズ』感想

      絶賛公開中『映画:フィッシュマンズ』 「フィッシュマンズ」という音楽バンドがありました。いや、現在進行形であります。90年代のバンドです。  レゲエやダブと言われる音楽を基調とした日本のバンドで、33歳で逝去された佐藤伸治さんがボーカルとして、かつ主な作詞・作曲をされていました。現在、東京オリンピック閉会式にも出演した「東京スカパラダイスオーケストラ」でドラムを担当されている茂木欣一さんが所属されていたことでも知られています。  音楽好きなら誰でも知っているが、一般的にはそこ

      • 東京2020で感じた「アップデート」だとか、「多様性」だとか――Cornelius炎上についての私的感慨②

        「トーキョー・ニーゼロニーゼロ」が終わった 2021年7月23日に開幕した東京オリンピックが、8月8日に閉幕した。ちょうど1年前の8月に、都庁に行く機会があり、そこで「2021年 東京2020」と書かれているのを見かけた際には、連れ合いに「意味不明だね笑」「予算の関係で”東京2021”に変えられないのかね~?」などと話していたが、最後の最後まで「東京2020」で押し通した。  2000年代のことを洒落た風に「ゼロ年代」と呼ぶように(なぜか自分でも言語化できないが、この言い方

        • 超サブカル焼跡派が本当に感じた「”サブカル”の終焉」――Cornelius炎上についての私的感慨①

          小山田圭吾の炎上騒動 周知の通り、元「Flipper's Guitter」のメンバーで、一人ユニット「Cornelius」として長らく活動してきた小山田圭吾が、オリンピックの開会式作曲担当就任の報に端を発し、大炎上している。  私は1992年生まれ、平成生まれ、ゆとり世代ど真ん中。Flipper's Guitterはおろか、Corneliusですら、後追い世代。でも、中学生のときにFlipper's Guitterを知り、ソロとしての小沢健二と小山田圭吾を知り、端的に言うと

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          私が「自己啓発書」を嫌い”だった”理由

          「なぜ、その仕事をしているの?」と問われると……  「自己啓発」という言葉がある。文字通り、「自分が己を啓発する」ことで、「自己啓発本」といえば、デール・カーネギーの『人を動かす』、スティーヴン・コビーの『七つの習慣』などを筆頭に、ロングセラー、ベストセラーが数多くある、書籍の一大ジャンルだ。  私は「本」に関わる仕事をしている。だから、たまに「なんでその仕事を選んだんですか?」「なぜ、その仕事をしているんですか?」ということを尋ねられる。  それで、困る……。いや、明

          私が「自己啓発書」を嫌い”だった”理由

          「出版社不要」論が現実に

          「StayHome」「RemoteWork」で書店に人が… 先日、平日の19時過ぎに渋谷に行った際、たまたま少し時間があったので、某大型書店に寄ってみました。  そこで、驚いた。「人がいない……⁉」  かなり広いワンフロアを借り切っている書店で、記憶の限りではかなり客がいるイメージだったのですが、その時はおそらく見渡しても20人くらいか。2レーンに1人くらいしか客が見当たらない状況に、ビックリしました(別の日に行った神保町の大型書店にはけっこう人がいたので、エリアでかなり

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          『女帝』(石井妙子)への斎藤美奈子評について【備忘録】

          石井妙子さんと斎藤美奈子さん 『おそめ』や『原節子の真実』といった名著を読んで、「すごいノンフィクション作家だ」と尊敬していた石井妙子さんの新刊『女帝』を、2ヶ月前くらいに読みました。都知事選前で超話題になった本です。  面白かった。相当以上に小池百合子を悪く書いていて、偏って悪く書きすぎではあるのは、すぐに感じました(これはかなり多くの人が感じると思います)。でも、「政界渡り鳥」と揶揄され続けてきた小池百合子のベールを剥いでいくようなストーリーラインに、グイグイと読まされ

          『女帝』(石井妙子)への斎藤美奈子評について【備忘録】

          『普通の人でいいのに!』が描く「安全にイタい」刺さらなさ

          深夜にふと読んだ『普通の人でいいのに!』 先日SNS上でバズっているのをお見かけした『普通の人でいいのに!』(冬野梅子/【モーニング月例賞2020年5月期】奨励賞受賞作)。  何やら「刺さる」とか、「自意識が抉られる」とか、感想で賑わっていて、その手の話が好きな私は、深夜にさっそく読んでみました。  ……で、驚いた。まったく面白くなかったのです。面白くないというか、今一つ理解できませんでした。SNSでバズっているくらいだから、この作者の力量不足というわけではない気もします。

          『普通の人でいいのに!』が描く「安全にイタい」刺さらなさ

          「歴史感覚」の消滅と「アイデンティティ」の消失

          世間があまりに「忘れっぽく」なっている? 最近、いやこの4,5年だろうか、非常に怖ろしい事態が進行しているような感覚に陥る。「社会」とか「世間」とかに、明確な実態はないはずだけれども、はっきり言うとその社会が、世間が、「ディストピア」化しているのではないかと。  日本経済が低迷している、日本が少子化に突き進んでいる。その手の「暗さ」を感じていたのは、そのさらに以前のことだ。確かに問題ではあるかもしれない。私の人生にも影響してくる。ただし、それだけならある種、曖昧模糊とした「

          「歴史感覚」の消滅と「アイデンティティ」の消失

          『スケアクロウ』のライオンは「みすぼらしい人」だったのか?

          「アメリカン・ニューシネマ」の傑作『スケアクロウ』「アメリカン・ニューシネマ」をご存知ですか。映画通には説明不要、逆に明確な定義があるわけでもないと思いますが、60年代末~70年代後半にムーブメントを起こした、反体制、アンチ・ハリウッド的な姿勢を鮮明にした作品群の総称です。 私は中学生くらいに『俺たちに明日はない』(67年)を観てからというもの、この手の映画がとても好きになりました。何となくの傾向から定義をすると、 ◎「パターナリズム(マッチョイズム)」批判 ◎「自由」への

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          Twitterとの距離感を掴め!――SNSに向く人/向かない人

          みなさんSNSは「もちろん」使ってますよね? SNSである。Twitterである。……にわかに界隈で沸き起こったTwitter運用。コロナ禍の中で、同僚たちが会社のTwitterを運用することと相成った!  そこで、Twitterについて書いてみたい。  現代人であれば、当然のようにやっているであろうTwitter。その同僚たちも、個々では使っていることだろう。もはや息を吸うように、吐くように、日々利用されるTwitter。ああ、ツイート、ツゥイート、らんらんらん。  日

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          いつも心に「ティモシー」を

          『ダンボ』という傑作『ダンボ』知ってますか? いやはや、知ってますよね、ダンボ。暖房じゃないよ、ダンボ。そう、あの耳が長~いゾウさんです!  ディズニーに残る最高傑作!と言って過言ではない『ダンボ』。これを私は4,5歳くらいのときに観て、あまりにも感動し、なんどもVHS(当時はVHSが一般的だった)を回したものです。  しかしながら、昨今のディズニーの体たらく。「奇跡の実写化」を謳う世迷言で集客するビジネスライクな態度。いけませんね、いけませんよ……。  ということで、『

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          TOHOシネマズ「POP&COKE」物語、許すまじ!

          私が唯一腹立たしく感じる「カップル」 今日も今日とて、たくさんのカップルが街にいる。カップルの存在を疎ましく思う人もいるらしいが、私はおっさんのせいか、微笑ましく感じる。駅で名残惜しそうに抱き合うカップル、自然と手をつなぎ連れ添うカップル、人目をはばからずチュッチュとするカップル……善哉善哉。「あら、若いっていいわね」なんて、おっさんは若いカップルを見て思う。  が、そんな私にも、二年くらい前からだろうか、許しがたいカップルが現れて、そのカップルが目に付くたびに、妙に腹立た

          TOHOシネマズ「POP&COKE」物語、許すまじ!

          「レビュー」っつーのは何?

          「批評」が機能しない時代を迎えている?「レビュー」という言葉を知ったのは、いつだったろうか。レビューとは、大辞林によれば、「批評、評論、書評」とある。批評、評論、書評、という言葉は、それ以前から知っていた。単純に言えば、その英語表現なんだろうなとは、アホの私にも想像はつく。  しかし、私がここでいうレビューは、そうしたものではない。「アマゾン・レビュー」「食べログ・レビュー」「映画・レビュー」的なアレだ。☆3.2とかのアレだ。  レビューはインターネットが育んだ、大事なカル

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          至高の人「平野レミ」について語りたい!②

          妊娠・育児本の名著『ド・レミの子守歌』 平野レミと言えば、「きょうの料理」でお馴染みの、赤い帽子と前掛けが印象的な「料理愛好家」のイメージが強いだろう。実際に、彼女は本もたくさん出していて、レシピ集が多い。  私はレシピ集は読んでいないのだけれど、平野レミはエッセイ集も出していて、こちらは読んでいる。まずは、妊娠・育児の体験をつづった『ド・レミの子守歌』(中公文庫)の紹介から始めたい。私が持っているのは、2013年刊行の中公文庫版だ。  この本には、平野レミの言語感覚の鋭敏さ

          至高の人「平野レミ」について語りたい!②

          至高の人「平野レミ」について語りたい!①

          昨年逝去された「和田誠」 昨年、2019年は、逝去するいわゆる「大物」が多い年だった。と思うが、ここ数年は"例年のように"という感じかもしれない。個人的な好き嫌いは別にして、ちょっと挙げると、ジャニー喜多川、堺屋太一、ドナルド・キーン、田辺聖子、梅原猛、池内紀、内田裕也、萩原健一、遠藤ミチロウ、モンキー・パンチ、小池一夫、京マチ子、八千草薫、……そして私にとっては何より橋本治。  同じ2019年に売れた書籍の中で、もっとも販売部数が多かったのは、一昨年亡くなった樹木希林の『

          至高の人「平野レミ」について語りたい!①