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39 理想の英単語帳~一長一短~

 受験指導をしたことは前回記しましたが、その過程で、英単語帳を使用しました。
 学校で副教材として使用していた、受験界隈では超有名な英単語帳でした。
 私も、かねてから名前を知っていたのですが、中身を吟味するのは初めてでした。

 私自身が受験のために数隼年前に使用した英単語帳は、多義語は多くの訳語が充てられていました。
 今でもはっきり覚えているのは、「range」が名詞でも動詞でもたくさん訳語が充てられていて「全部これ覚えないかんのか!?」と衝撃を受けた体験です。
 結局、単語全体のイメージを作り上げるよう努め、なんとなくでも訳ができるように備えていました。
 が、単語を覚えるという作業が苦痛で仕方ありませんでした。

 以後、受験指導される予備校講師など「単語の定義は一つ覚えればいいんだ」と主張しておられるのを目にして、納得していました。
 
 今回の受験指導で使用した副教材の英単語帳は、基本的に、単語一つにつき訳は一つだけ記載されていました。 
 見やすくていいじゃないか。
 そう思っていました。
 最初は。

 そうしたところ。
 
 その単語帳には「consider」の訳語を「~とみなす」とだけ書かれていました。
 ところが、過去問には、「~を熟考する」という訳語が適切な文章が出題されていたのです。
 受験以外でも、いずれの意味も頻繁に目にする用法だと思いますが、単語帳を頼りにすると、この重要な意味ですら意味が分からず、理解し損ねてしまうことになります。

 以後、私は訳語が多い英単語帳を支持する考えに変わりました。

 以前、多義語をみて、その単語のイメージを作ろうとしていた作業は、実は、有意義だったのではないか、とポジティブに考えるようになりました。

 その考え方が根付いていれば、文脈に合った訳を作り出す柔軟な思考も養うことができるはずです。

 実際、「~を熟考する」なんて訳語を覚えても、訳の時には「~についてよく考える」なんて書く方が自然なのですから。
 その柔軟な思考で第二言語(外国語)として英語を学ぶと運用能力も高まると考えています。

 現場の先生がこの単語帳をもとにどのように指導されていたのか気になりました。