![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/171759335/rectangle_large_type_2_eb1c352061ec2efd5a0ce71830c71950.png?width=1200)
51. 面白いトピック!~入試問題(英語)を読む【2020年度九州大学前期日程】~
およそ一年前、ネットで入手した九州大学前期日程の2022年度試験の問題を入手したので、その感想をここnoteに記しました。
今回は、2020年度の問題に挑んでみたので、その感想を記します。
大問1~3 長文読解
大問1は長文読解です。
文字量は多く、高校生にとって難解な単語も随所にちりばめられています。
相変わらず、分量の多さは英検準1級を上回っています。
ですが、論理展開は非常に明確です。
ここは英検の長文読解と異なるところです。
意味と論理展開をしっかり追えていられれば、問題に挑めます。
特筆すべきは2点です。
1点目は、受験生が使用している単語帳で太字になっている訳語以外の意味を問うている点です。
その意味(訳)が文脈にそって当てはめることを求められています。
この作業は、大学入学以降、英文を読む人すべてが求められる課題です。
2つ目は、問5の下線部訳です。
これをきちんと譲歩で訳せた受験生はどれほどいたでしょうか。
現在分詞beingを省略した形容詞の譲歩構文でありますが、これに原級を用いた比較表現がかぶさってます。
分詞構文の構造が理解できていれば、正しい訳をかけると思いますが、そうでなければ、文の流れに沿った訳を作るのに苦労する、なかなかの難問だと思います。
大問2も長文読解です。
文章の論理展開はさておき、太陽系の話題なので、知識の乏しい受験生は苦労したのではないでしょうか。
自ずと単語の難易度も、専門性があるがゆえに高い印象です。
特に惑星の名称。
私は正確にわからず、問5の下線部訳でVenusの和訳を誤ってしまいました。
教養を測ろうとする出題者の意図がしっかり伝わってきます。
一点、特筆すべき事項は、問5下線部訳で対象となっているshouldの解釈です。
助動詞shouldの後に無意思動詞がきており、mayより強く、mustほど強くない推論・見込みを意味しております。
「~すべき」というshouldの訳で凝り固まっていると、正解にたどり着けない難しい問題です。
大問3も長文読解です。
設問が英語になっており、多少、ハードルが上がっております。
しかし、ディスコースマーカーが明確で、論理展開を追えれば設問には対応できます。
実際の解答用紙にどれほどのスペースが割り当てられているか気になりますが、問題文を正しく読み取れていれば、設問は文章に沿って記載すれば正解にたどり着ける素直で回答しやすい問題だと感じました。
大問4~5 英作文
大問4は英作文。
賛成。反対の自分の意見に基づき、その意見を記します。
100語という制限が設けられており、一応、序論、本論、結論の論理展開で文章を作成する必要があります。
これは練習が必要だと思います。
英検準1級でも類似の問題がありますが、英検は論点を「point」として示し、ヒントを与えてくれていますが、九州大学は自分で論理展開を構成しなければなりません。
大問5は和文英訳。
こなれた日本語を”因数分解”し、自分が持っている語彙で適切な表現をしなければなりません。
これも練習を要するでしょう。
英文和訳、和文英訳、いずれも、九州大学に限らず、国公立大学二次試験では練習が必要です。
逐語訳ではなく、翻訳として、文章を訳す必要があります。
よって、共通テスト修了後、できればその前から、少しでも早く、二次試験対策に臨むことができれば、二次試験で他の受験生と差をつけることができると思います。
今年の受験生は本番までおよそ1か月。
これを読んでいる受験生がいればこの1か月に持っているすべてのエネルギーを費やして勉強頑張ってください。
今回は、英検1級受験前、無性に九州大学の問題が気になって、英検対策の一環として解いてみました。
良問ばかりで、解くのが癖になりそうです。
イイネの数がいくつかあれば、そのほかの年度の試験にも挑んでみたいと思います。