成人女児デビューした話

こんなはずじゃなかった。


私がプリパラに触れるきっかけとなったのは友人だった。私は当時その子に、始めたばかりの某イケメン役者育成ゲームをどうしてもやってほしいとゴリゴリに布教していた。するとその友人は「アプリをインストールするから代わりにプリパラを見てくれ」という交換条件を突きつけてきた。


その後友人がアプリを始めても私は渋ってズルズルとプリパラを見る機会を引き伸ばしていたのだが(最低)、ある時アニソンイベントを取り上げた番組で見たのがi☆Risのステージ。プリパラのメドレーを披露していた映像だった。
それまで私は女性アイドルに苦手意識を持っていたけれど、i☆Risにはそれを感じなかった。生歌と思えないほどの歌唱力と、汗だくで笑顔を振りまいて歌って踊る6人の姿にいつの間にかのめり込んでいた。


俄然興味が出てきた矢先、プリパラを勧めてきた友人から「プリパラのライブがあるんだけどいかない?」とのお誘いが。
8月初旬に誘われたので、私は8/20開催のプリパラサマーライブまで毎日プリパラの曲を聴いた。食事睡眠以外の家で過ごす時間を全てプリパラのアニメに費やす大学1回生の夏休み。早く見ときゃ良かったと後悔しつつも、当日までになんとか120話まで履修した。その頃にはすでに立派なプリパラオタクに染まり、人生初めてのライブに胸を高鳴らせて当日を迎えた。


正直ライブは凄かった。今までライブビューイングには数える程度参加したことがあったけれど、現場でのライブを経験したのはプリパラが初めて。会場の一体感をリアルタイムで味わう高揚感と、何よりキャラクターが画面から飛び出したかと思うほど歌もダンスも衣装も全部、プリパラで見たアイドルそのものが目の前にいた。(目の前と言ってもそのときの席はほぼ真後ろレベルだったが初参戦の身にはちょうどいい距離感だった)


あまりに再現度の高いライブにおったまげたオタクは、その後現場にどハマりした。一昨年のサマライ以降WITH単独、オーライ、ウィンター、ツアー2月3月、WITH単独2ndまで参加した。なお今年は参加率低め。


さて、作品との出会いを振り返ったところで、なぜプリパラにハマったのかを改めて振り返ってみた。


プリパラとは、主人公真中らぁらが仮想空間である女の子の憧れ『プリパラ』で南みれぃと出会ったことをきっかけに、神アイドルを目指し奮闘するというストーリーだ。
「み〜んなトモダチ!み〜んなアイドル!」が叶う場所、それがプリパラ。個性豊か故にキャラクターたちがぶつかりあったり切磋琢磨しながらも、それぞれのユニットが神アイドルを目指していく。


このプリパラという作品、ご存知のとおり女児向けアニメである。しかし成人を超えた私でも勉強させられる言葉やエピソードがたくさん散りばめられている。


例えば南みれぃというキャラクターを取り上げたとき、彼女は一言で言えば「努力の人」だ。絶対に神アイドルになる!という強い意思を持ち、そのための努力は惜しまない。現実世界ではクールな風紀委員長、『プリパラ』では語尾に「ぷり」をつけるポップなキャラクターを見事に演じ分けるみれぃ。自分と周りの才能溢れる人間を比べて落ち込むこともあれど、「100%で天才に勝てないなら120%の努力をするまで」と言い切った彼女のかっこよさたるや。就活で尊敬する人を聞かれたら南みれぃって答えたい。
努力の大切さ、友達を想う気持ち、理不尽な才能の差の存在さえ、大人でも心に刺さるエピソードが盛り込まれている。


また、曲の良さもプリパラの魅力のひとつ。
プリパラではアイドルたちがほぼ毎話曲を披露するため(もちろん何話か同じ曲が登場する)、べらぼうに曲が多い。先日発売されたベストアルバムは11枚組の大盤振る舞いだった。


私が特に感銘を受けた曲といえば、ファルルの「0-week-old」。この曲は同じメロディで4パターンあり、「ゼロウィークオールド」「ラブウィークオールド」と読み方の違うものと、紫京院ひびきとのデュエットver.とガァルル歌唱verに分かれる。
ここでは特に「ゼロ」と「ラブ」に読みが分かれる2曲について取り上げたい。

まず曲の背景として、「ゼロ」の方はファルルが初期、登場したばかりの頃に披露した曲である。世話役のユニコンの言うとおり生活し、彼女の意思の有無に関わらず人形のように生きてきたファルル。プリパラでデビュー曲として披露した「ゼロウィークオールド」の一節にこうある。


『誰もが皆誰かに愛されてる 私を愛する人はどこにいるの?』

プリパラにおいて、プリパラの世界に入るために必要なプリチケを分割(=パキる)し、交換することでお互いをトモダチとみなす描写がある。諸事情により友達の証であるトモチケを人と交換できないファルルには、プリパラの中でのルールに則った「トモダチ」はできない。
そんなとき、彼女はらぁらと出会った。プリパラの外である現実世界のこと、ユニコンが教えてくれなかったことを教えてくれたらぁらとファルルは次第に仲を深め、ファルルにも感情が芽生え始める。
この辺の話に関しては1stシーズンの山場なので詳しい話は控えるが、彼女が後に披露した「ラブウィークオールド」の歌詞はこうなっている。


『生まれてきたことこそ生き続けてく理由 愛してくれてそう感じた』


ここでは歌詞を重点的に話を進めてきたが、ぜひその歌い方にも注目してほしい。また、ひびきデュエットverやガァルルverもそれぞれ違った良さがあるので必聴。

まだまだプリパラの魅力が語り足りないけれど、思った以上に話が長くなってしまったためこの辺で。
You Tubeで3期とアイパラも配信されないかな。

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