確かにプリパラだった-DANPRI STAGE -アイドルランド・オブ・ザ・デッド-
3/3から3/6にかけて開催された『DANPRI STAGE -アイドルランド・オブ・ザ・デッド-』。
前回行われた『舞台WITH』から約1年の時を経て、『DANPRI STAGE』として帰ってきた。
プリパラシリーズの新展開としてアプリやWEBアニメの制作が発表された『アイドルランドプリパラ』の世界で、WITHだけでなく男プリ全体を巻き込んだ騒動を描いた物語だ。
厳しい情勢の中、感染対策を行った上で開かれた今回の舞台は、誰一人欠けることなく無事千秋楽を迎えた。
前回の舞台が決まったときも、大きな衝撃を受けたことを覚えている。
確かに、雑誌のインタビューでショウゴ役の山下さんが「アニメと同じキャストで舞台とかやれたらいいですよね」と言っていたことは記憶にあるが、ファンの自分としてもあれば面白いな、くらいにしか捉えていなかった。
実際に前回の舞台も配信を含めて全公演観劇し、その満足感のまま一つの区切りのように思っていた。
「言えば叶う」を地で行くプリパラを舐めていた。
本当にやるの!?をやるのがWITH、そして男プリである。
ただ、WITHは期待以上のものを見せてくれる、とこれまで何度も見てきたステージで示されていた。千秋楽まで絶対に見届けたい。その気持ちを胸に、3月を迎えた。
幕が上がり、青いライトがめいっぱいに会場を、舞台を照らす。
「無限に広がる、大ぷちゅう!」
見慣れためが兄、3人並んだめがボーイズ、なんの脈絡もなく広がる宇宙。
そうだ、これがプリパラだ。
そこからはただただ引き込まれるだけだった。お馴染みのWITHの3人の掛け合いにほっこりして、すっかり男プリの一員になったダークナイトメアの二人にわくわくして。たった6人とは思えないアンサンブルの皆さんが駆け回る。わちゃわちゃしたプリパラの世界観を力強く支えている。
おそらくひと世代前のギャグも、どこかで聞いたことのあるSEも、笑えるのになぜか最後には泣けるところも全部、私が憧れて信じて魅せられてきたプリパラの世界だった。
何度も聞いたWITHの代表曲『Giraギャラティック・タイトロープ』も、見るたびにダンスのキレも歌の精度も増していく。音源化されていないはずなのに、なぜか口ずさめるほどすっかり馴染んだダークナイトメアの『Darkness Soul』も、冒頭二人の煽りで会場の熱が上がる。
今回の舞台で初披露された全体曲の目まぐるしく転調する曲展開は『ホワット・ア・ワンダー・プリパラワールド』や『スター☆ア・ラ・カルト』を彷彿とさせた。
また、曲の終盤、ショウゴが問いかける
「君のユメ、なんだった?」
のセリフにはどきっとさせられた。SNS上での反響も大きかったように思う。
男プリの舞台では前回に引き続き今回も、ユメや希望を忘れてしまったサラリーマンが登場する。男プリアイドルは大人になってユメを忘れてしまった人たちの手をとって、エスコートする存在なのだと感じた。
ライブといえば、作中印象に残っている言葉がある。
ネタバレになるため明確な描写は控えるが、物語の佳境に入る場面でめが兄ぃがこう叫ぶのだ。
「あなたたちのライブこそが、私のスタイリッシュ・タフ・生きGUY!!!!!」
自分の気持ちを代弁してもらえたような心地だった。
もし今、声が出せる環境だったら。何も気にすることなく大声で笑うことができたら。
ボタンじゃなく、自分の声で「いいぜ!」が届けられたら。
ダークナイトメアに、声が出せるライブの楽しさを知ってもらえたら。
舞台だけじゃなく、リアルイベントが開催されるたびに頭をよぎった。
これからも男プリが、プリパラが続いていけば、そのユメも現実になるかもしれない。
プリパラは好きだけど男子プリパラはよく知らない、という人にこそ見てほしい。
そこには変わらないプリパラの世界があるはずだ。アーカイブは3/13まで有効である。
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