自分が嫌いだ

　ひさしぶりに心ここに在らずの状態に陥った。

　時はアナウンス教室受講中。フリートークの時間があった、私は発表順が一番で自分のトークに納得がいかず、もやもやした気持ちで他の人の発表を聞いていた。いつもだったら聞けるはずだった。

　あの日は違った。どんどん周りの声が聞こえなくなっていった。一方で大きくなるのは私の心の声。

　なんで自分の話はこんなにつまらないんだろう。自分はなんでこんなに変われないんだろう。皆を引き込めないんだろう。自分が目指すなんて可能性無いのかな。なれないかもとか考えたくないな。あああ自分が嫌いだ。

　鉛筆を手に取る。ノートを開く。新しいページに書き殴る。

　自分の嫌いなところ　・自分を嫌うところ・人を見下すところ・自己中心的なところ・適当なところ・めんどくさがりなところ・わかったうえでやらないところ・本当にやりたくないところは意地でもやらないところ・変わらないところ・言葉だけなところ・太っているところ・継続力が無いところ・すぐイライラするところ・不注意なところ・面白くないところ・真面目そうに見えてそうじゃないところ・中身が無いところ・変人になりきれてないところ・知識が無いところ・緊張しいところ・毎日不安がっているところ・幼いところ・時間管理ができないところ・わかってもらいたがり・甘えている・メンヘラ・弱い・金遣いもゆるい・ストレスをためやすい・依存症体質・だめだと思っていてもやめられない・約束できない・変えようとしていること・素直に受け入れられないこと・口に出さないと気が済まないこと・めいっぱい落ちこまないと気が済まないこと・現実逃避すること・自分を傷つけること

　これしか書けなかった。ノートにして半分、いや1/3。書こうとすると同じようなことになる。書きなぐっていた時間はわずか10分。もっと過ぎていた気がしていた。たったこれだけ、と嫌悪感を抱く自分もわからないけど確かに心にいた。

　自分の好きなところも書こうかという考えが頭をよぎったけど、鉛筆を持つ気にならない。だから、書きたいという衝動が出てきたら書こうと思う。