【絵本 たいようオルガン】
ぞうバスが走っていく。のりたいひと どうぞどうぞ。のったりおりたり 。たいようオルガンが、いつもそこにいて、音楽がひびいてる。それだけ。それを太陽がずっと見守っているんだよ。そんな絵本です。
【並べて楽しい絵本の世界】荒井良二④
太陽がオルガンを弾くと、朝がやってきます。表紙に描かれているかわいい ぞうバス が出発。
オレンジ、黄色に輝く太陽がオルガンを奏でている中を、ぞうバスは進みます。のどかな風景から、家の立ちならぶ町、ビルのそびえる町へと、どんどんと。
ほそい道、でこぼこみち、ちょうちょがいる、いぬがいる、うしもいる・・・のりたいひと てをあげて どうぞ どうぞ ぞうバス走る・・・鉛筆描きで、いたずら書きのように説明されているのも、読んであげれば、小さいひとたちは喜ぶと思います。
橋をわたって、まちに やってくる
どうぞ どうぞ のったりおりたり…
ページをめくっていくのは、太陽の奏でるオルガンを聴きながら、楽しく世界を旅していくような感覚です。言葉のくりかえしが、読む人も楽しいし、聞いているこどもも、リズムにのってバス遠足できます。
ぞうバスの表情が、とってもかわいい。
とくにお気に入りはフェリーボートに乗って「おちゃのみまーす」って言っているところ。
作者のこの本についてのコメントをさがしていたら、意外な発見もあり、ますます好きになりました。それがこちら。
荒井良二さんがこの絵本を描く前年に、アフリカをおとずれた際に
そこで群れから離れたゾウが
1頭だけいるシーンを何度も車から見たんです。
その場にいた動物の専門家に聞いたら、
あれは50歳過ぎたオスのゾウなんだと。
もう彼は死ぬまでひとりで暮らすんだって。
おとながジーンとくる挿話・・・です。
作者もちょうど50歳だったということです。
こちらで読めます
ぞうバスはどんどん、いろんな人を乗せて進んで行きます。バスが走るその道は、まさにひとの人生で、太陽がそれをいつでも見守っています。
50歳をすぎた象は、毎日いろいろなお客さんを乗せて走って、けっして孤独ではありません。
絵本はこんなにも楽しく、そして、たとえ子どもに読んであげていたとしても、おとなもまた癒してくれます。
あふれる色彩と音楽
太陽の音がきこえてくる。
いつでも 絶対伝わるんだっ、という作者の思いがビシっと伝わってくる本です。
夜になりましたから、月のオルガンを聴きながら、おやすみなさい。
〇コンサートの情報です
おなじ作者の絵本の紹介記事です
こんな動画もみつけました。やっぱりこの絵本は音楽にしてみますよね。
映画とかにしても、きっと面白いと思いました。
今日も読んでいただいてありがとうございます