【絵本 山はしっている】
地球に生きるわたしたちの毎日は、つねに変わらず そこにあることを、山は知っている。
心に沁みいる静かな文章とやさしく美しい絵が、心を落ち着かせてくれます。地球は美しい。
【並べて楽しい絵本の世界】
■リビー・ウォルデン(Libby Walden)/作
イギリス在住。児童書出版社に勤務するかたわら、絵本の作を数多く手がけている。
■リチャード・ジョーンズ(Richard Jones)/絵
イギリス在住。大学で美術を専攻し、大学院で学びながら図書館の児童書部門の仕事を長く経験したのち、イラスト専業になる。
■横山和江(よこやま・かずえ)/訳 鈴木出版 初版 2020年3月
近所に、大きめの都立公園がある。皐月、早朝に近所の公園へ散歩に出ると、木々の下を吹き抜ける ひんやりとした風がとても気持ち良い。
もうずいぶんと長いこと 自然にふれる生活をしていない私は、こういう絵本が大好物です。
子どもの頃は、両親が海、山、川へと連れて行ってくれました。
その記憶が身体の中に体感として残っているので、自然をテーマにした絵本に出会うと、すぅっと水分がしみこんでくるような感覚になります。
都会は乾いているんだなぁと思います。
山のいただきが夜明けをむかえるころ、はやおきの鳥たちが、つばさをひろげ 空へとびたっていきます。
朝焼けがはじまり、次々に動物たちが動き出します。
シロイワヤギが目覚め、ナキウサギが目をさまし、ヘラジカの親子が朝ごはんをさがしに歩き出します。どんどんと動物たちが描かれていきます。
日が昇るとともに、変化してゆく背景の色がとても美しく、動物たちの表情も、やさしく穏やかで、ただそこに在ることに満足しているように見えます。
ページをめくっていくと、山が見守る、その裾野で、さまざまな生きものたちの営みが繰り広げられています。
たくさんの動物のなかに、犬をつれた人間もちゃんと入っていました。
巻末には、絵本に登場する動物たちの名前が一覧できるようになっていて、これも楽しめるポイントUP↗ いつでも絵本を開けば、生き物みんなに会えるという喜びもあります。
訳者のコメント
「訳しながら、自然への畏怖の念がわいてきました」と訳者がコメントを記しています。悠久の時の流れに思いを馳せ、この美しい地球がずっと続くためにできることを考えてみませんか。(鈴木出版 HP)
いいなと思ったら応援しよう!
サポートいただいたお金は本の購入に使わせていただきます。その本は沢山の子どもたちのもとに届くように使わせていただきます。子どもたちへの応援よろしくお願いします。