統計検定準1級に合格しました
昨日、統計検定準1級に合格することができました。
試験を開始し、ぱっと見で簡単には解けなさそうな問題を飛ばして一度最後まで進めたところ半分しか埋まってなかったのでかなり焦りましたが、結果的にはヒヤヒヤの72点で合格でした。
ここに至るまでに参考にさせていただいたWeb上の集合知に感謝しつつ、私の経験 n = 1 を参考までに。
■自分のスペック
理系とか文系とかの前に高卒
いつの間にか40代
ふだん仕事で数学や統計学は使わない
統計検定2級に合格できるであろうところまで学習したが未受験
2級の学習開始前に微分積分と線形代数をあらかじめ学習済み
Web情報より校正されている書籍を信じる派
■学習した書籍
(1)統計学実践ワークブック
なにはさておきコレ。これがないと始まらない。いろいろ言われているように、本書だけだと何を言っているのか全くイメージできないところがあるので、そこは他の書籍で補う必要はありますが、そうは言いつつ試験範囲を網羅している公式本ですのでマスト。私は2周しました。
(2)緑本
ポアソン回帰、ロジスティック回帰、GLM、AICなどを学ぶなら本書がよいと思います。渋谷駅前で働くあのお方もおすすめされていたと思いますが、これを読み終えると、2級レベルから成長したことを感じられます。これも2周しました。
(3)実験計画と分散分析のはなし
2級の勉強のときにも読みましたが、準1級対策として読み返しました。割と後半に出てくる直交表や、1、2、3因子で繰り返しありなしの分散分析の自由度などが非常に参考になりました。反面、できるだけやさしく砕いて書いてくれているため、準一級を見据えた場合には自分でいろいろと要約して覚える必要がありそこが難点。分散分析についてまとまっている他の書籍をご存じでしたら、本書に固執する必要はないかな。
(4)多変量解析法入門
準1級の範囲として多変量解析法がかなりのボリュームを占めます。本書を読んでからワークブックの該当の章を読むと、スムーズに学習が進むと思います。ただ、私の理解力のなさゆえか、パス解析、因子分析あたりがさらっとしか書かれておらず、雰囲気程度にしか理解できなかったのが残念。この本も2周しました。
(5)確率過程超入門
確率過程って伊藤積分とかブラック・ショールズとか関係するあたりで難しそうという変な先入観があったので、できるだけハードルの低い書籍から入ろうと選んだのが本書。確率過程の雰囲気は掴めます。だけど準1級対策としては力不足。あくまでも導入レベル。でも読んでよかった。
(6)機械学習図鑑
これは通しては読んでいませんが、L1回帰、L2回帰、SVMのイメージを掴むのに最適です。それから、混同行列、正解率、適合率、再現率あたりも非常にわかりやすかったです。ワークブックの該当箇所に詰まったときに参考にしました。
(7)ベイズ統計学入門
ポップな表紙に反して、ベイズの定理からベータ二項モデルまで導いてくれるしっかりめの本です。ここが理解できればワークブックに出てくるガンマポアソンモデルの理解もスムーズだと思います。ただ、たまに描かれる少し不気味なイラストには最後まで馴染めませんでした。
(8)統計学が最強の学問である[数学編]
微分積分や線形代数のおさらいとしてもよかったし、何よりディープラーニングの仕組みがすごくわかりやすかった。ディープラーニング、ニューラルネットワークと言えば神経細胞の模式図が使われがちですが、そうではなくて原理的にはいろんなロジスティック関数の重ね合わせなんだよと教えてくれます。とはいえ、ワークブックにはニューラルネットワークモデルについて1ページしか割かれていないので、準1級対策としては不要かもです。
(9)過去問
概ね学習順に並べたので最後に来てますが、過去問が一番大事。過去6回分が掲載されています。過去問に過学習するのは試験対策としてよくないという意見もあるようですが、私が受験した問題セットでは類似問題が結構出ました。そんなラッキー問題を取りこぼさないためにも、過去問はバッチリにしておきたいところ。私は2周しかしませんでしたが、もっとやっておけばさらに余裕を持って合格できたと思います。
(10)電卓(書籍ではないけどついでに)
私はこの電卓を試験で使いました。どことなく昭和を感じさせる配色ですが、デザインより機能を優先。以前に金融系の試験勉強のときに購入したもので、限られた試験時間のなかで打ち間違いをしたくなかったので、ボタンが大きめでしっかり打てて、なおかつメモリーとルート計算ができる12桁表示のこれを愛用しています。
■受験前の自分へアドバイスするとしたら
たぶんどんなに過去問をがんばっても試験開始後の1周目で自信を持って答えられるのは半分くらい。まずはその半分を落とさないように、過去問で捨てると決めた問題以外は、反射的に解答できるまでしっかり練習しておくべき。
しばらく資格試験から遠ざかっているので注意しておくと、制限時間90分で25問程度が出題されるということは、1問あたり約4分の計算。ということは、初見の問題にじっくり取り組んでいたら全然時間が足りなくなるので、問題を見てすぐに解法が思い浮かぶ問題以外はどんどん飛ばして、あとで戻ってくるべき。
しっかり試験勉強したつもりでも、CBTの問題はかなり難しい。見たことがなくさっぱりわからない問題もあり焦るかもしれないが、試験の目的は出題されている問題をすべて理解することじゃない。合格ラインは6割。60点を1点でも超える意識で得点を積み重ねよう。
■最後に
私は試験の手ごたえがあまりよくなかったので、いまのところ合格した達成感は残念ながら薄めです。
しかし試験勉強を通して統計解析の知識が着実に身についたのを感じており、その点には満足しています。統計検定ありがとう。
数理数理しているであろう1級をどうするかはそのうち考えます。
今後は実務で統計解析が使えるようにという目的意識で、統計解析や機械学習の勉強をこれからも続けていこうと思っています。
以上、ありがとうございました。