『だる・ま』(ショートショート#1)
休日は楽しく過ごしていたんだ。
そう、好きなゲームをして、笑って、悔しくて、またプレイして、
その連続で楽しかったんだ。
そして、迎えた月曜日。
そこまで気分は重たくなかった。
新しい1週間の始まり。
どうせ、同じ仕事をするなら、前向きにやるべきだ。
そう思えていたんだ。
それがどうだろう。
火曜日になって、空気が変わった。
気温が変わったわけではない。
天気が急変したわけではない。
変わったのは、自分の心・・・
なぜか、疲れている。
ことあるごとに、ため息をついている。
なかなか気が晴れない。
そして、体もだるくなっている。
昨日の夜にちゃんと寝たはずなのに、
それなのに、体がだるい。
仕事仲間と話す時も、頭の回転が遅い。
変な間ができてしまって、
スムーズに会話が進まない。
あぁ、本当にだるい。
こういう時は、本当に仕事も良い方向になかなか進まない。
だるいし、変な間はできるし、
こういう悪い感じをなくすために、
だるまというものができたのではないか、
そんなことを思うようになっていた。
でも、一丁前に、
職場のリーダーとして、後輩に指示を出すことも。
ちょっと偉そうな顔なんかして。
もう、こういうのが嫌。
本当は、もっと甘えたい。
だるくて、変な間も生まれて、だるまみたいな変な顔になって、
「てへっ」とか言って、
みんなを笑わせたい。
でも、こんな渦巻きのような気持ちは、
誰にもバレないように、
一丁前の、仮面をつけて、指示をするのだ。