【日記#10】一度きりの人生

大学生活、本格的に人生に悩み始める。
就職活動もせず、頑張ってきたものの、最終的に挫折。
人を信用することができなくなった。
とにかく、人が怖かった。
精神的にもおかしくなってきた。
引きこもりになった。
お金も無くなった。
親の元に帰った。

この流れ、本当に最悪だと感じていた。
他の同級生は、皆、頑張って生活している。
結婚もしていて、家庭を持って、私とは次元の違う悩みを抱えている。
そして、前向きに生きている（ように見えただけかもしれないが）

情けなかった。

でも、人生は一度きり。
もう、好きなことに一度でも挑戦してみたかった。

本当はサッカー選手だが、こればっかりは、体力が追いつかない。
もう一つ、憧れていた仕事がある。声優だったり、ナレーターだ。

子供の頃、いつもラジオをつけていた。
一人っ子で生活していたこともあるのか、声の力をものすごく感じていた。
アニメも好きだったが、声ひとつで芝居をすることに魅力を感じていた。
声ひとつで物語を語って、状況を想像させる方に、魅力を感じていた。

そこから、声に関わること、ということと、採用されやすい、ということで、
学校に行くお金を貯めるため、コールセンターで働くことにした。

専門学校に通ってみると、自分の実力の無さを感じるものの、
色々と経験させてもらった。
実際のアフレコ現場に行かさせてもらうこともあった。

なんだかんだ、目標がある人生は、素晴らしいなぁと思う。
実家にいて、生活面は両親に甘えることができた環境、ということも
あったと思うが、少しずつ心が前向きになっていった。

今、振り返ると、親もよく許してくれたなぁと思う。
それが、私の心には、大変助かった。

結果、上京して、ナレーターの事務所にお世話になるのだが、
かなりの高齢ではあるが、新たなスタートだと思った。

私なりには頑張ってみた。
そう、頑張ったつもりだった。
でも、トラウマというのは、なかなかなくならない。
ナレーター事務所で色々と勉強していくのだが、
自分の実力のなさの指摘を受けていると、
「自分は何もできない」という劣等感に駆られ、引きこもった時の心理状況に、
一気に戻された。

そして、当時、実家のことが急に心配になってしまい、
また、パニック障害のような状況になり、部屋のあらゆるものに、
当たるようになってしまった。

この不安定な状況は、いろいろなところに影響が出てくる。
あまりにも不安定なため、事務所を退所させてもらい、
生活のためのアルバイト先で、社員となったが、
そこでも、躁鬱状態となり、他の人に暴言を吐くようになって、
完全に寝込んでしまうようになる。

「まただ・・・」

そう、思った。
私は、何をしても、以前の精神的な不安定状態に引き戻され、
何もできなくなり、今回に関しては、暴言を吐くようになってしまった。

また、情けなくなった。
上京して、頑張ろうとしていたのに、何もできない自分を、
改めて突きつけられた。
色々、環境を変えようともしたが、何もうまく行かない。

どうやって、生きていけばいいのだろう、と思った。