なんで?
「ここがお客様のお部屋になります。ごゆっくり」
そう言って仲居さんが去っていった直後、彼女が俺に飛びついてきた。
「やっと二人きりだよっ!早く、早くっ!」
俺の手を引き部屋へ連れ込む。
「とりあえずチューしてから、そのあとどうするか考えよう⁉」
そう言って俺の頬を掴みそのまま彼女の顔に近づき唇が重なり合った。
「なんで?」
唇が離れた時に彼女が言った一言が理解できなかった。
なんでもなにも、そっちがしてきたんじゃないか。
「なんで⁉」
もう一度そう言い、彼女の唇をまた俺の唇に重ねてきた。
「なんで?」
「なんでなの?」
「ねぇ、なんで?」
そう問い続ける彼女の体が徐々に溶けて行っていることに気づいた。
それこそなんでだ⁉ なんて思う余裕もなく彼女は消えてしまった。
え?なんで?って最初は思ったけど、、、
まぁ、夢だもんな。
って、今日は冷静に思えた。
そんな休日の朝。
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