20221104

 長崎は朝から快晴。風が強い一日。本来なら本日祖母に面会する予定だった。しかし、いつまでもグダグダ言っていてもしようがない。父方の祖父母の墓参りに行った。墓と言っても、彼らは寺の共同納骨堂に入っている。父の実家は、わたしの実家からさらに南に行った野母崎という場所にある。父の運転で、母を助手席にわたしは後部座席に座って沿岸沿いの国道を南へと下る。わたしが記憶していたよりもずっと近いところまで海は白波を立てながら打ち寄せていた。小高い丘の上にある寺の中腹の駐車場に停車し、階段を上がったところ、本堂の横にある納骨堂に入る。奥の如来像に線香を上げ、そこから出て引き戸で区切られた祖父母の眠るお堂の前で線香を上げて手を合わせた。そのあと、伯父の家族が営む商店に寄った。伯父は病院へ通っていて不在だったが、伯母が店番をしていた。伯母は亡くなった祖母そっくりに見えた。大量に譲り受けたという銀杏を「持ってかんね」と袋に詰めてくれた。東京では踏みつけられて独特なにおいを発しているが、あの黄色い部分を落として硬い殻に覆われた銀杏は殻を割って中身を焼いて食べると酒のつまみになる。酒飲みの父はありがたくそれを受け取っていた。それから恐竜博物館という、昨年オープンした恐竜の化石やそのレプリカを多数展示する施設だ。わたしは地元ながら知らなかったのだが、長崎ではティラノサウルスなどの恐竜の化石がけっこう見つかっているそうだ。平日なので空いていたが、家族連れの客などが訪れていた。常設展のホールは吹き抜けになっていて、なかなか巨大な恐竜の骨組みが設置されていて圧巻だった。二階部分にはティラノサウルスの動くロボットがあり、そちらもなかなか精巧な造りで、小さな女の子が怯えて父親の手を引いて動かずに「いやだ」と泣きそうな声を上げていた様子は、とても愛らしかった。

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