20230722

 『タタール人の砂漠』の読書会だった。思ったよりも、皆、身につまされるような思いがしたという感想で、わたしもかなり主人公のドローゴに感情移入していたので、わたしの感覚もそんなに的外れではないのだと安心してしまった。ただ、これはそんなに褒められたことでもない。ドローゴは周りの環境に流され、自分自身が何を求めているのか見失い、戦争という幻想に心囚われて死んでいく、という割かし救いのない話であるからだ。現状肯定では駄目だという警鐘をわたし自身受け取った。ドローゴは自分以外に全く興味関心を抱いていない人間、ナルシシズムに満ち、なにか悪いことが起こると全て周りの人間のせいにする被害者意識も強く、自分自身で決断し行動するというバイタリティーに欠けている。このあたりの意識を強く持つ必要性を感じたし、これはプラグマティズムに習うべきかもしれないと思った。

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