20230428

 小説を一時間で書きあげる「小説一時間チャレンジ」という試みをTwitterのスペース機能を使ってやってみた。大阪・豊中にある独立系書店〈犬と街灯〉店主である谷脇栗太さん、蜂本みささん、北野勇作さんの三人がそれぞれ掌編を持ち合い朗読するツイキャス「犬街ラジオ」で北野さんがお休みの回に坂崎かおるさんが代打で参加された回を聞いて触発された。彼らは毎週そうした創作をやっているわけだが、この回では蜂本さん、坂崎さんがともに一時間ほどで掌編を仕上げたと話しており、その朗読を聞き、掌編の完成度に度肝を抜かれた。わたしも一念発起し、文フリ東京で頒布される「コオロギ、クジラ、人間以外の歌」をテーマにしたアンソロジーZINEに寄稿する掌編を大体一時間で書いた。ところが、すっかり「歌」という部分を失念しており、改稿に三日かかってしまった。蜂本さんはBFC2王者であり、坂崎さんも様々な文学賞受賞経歴を持ち、商業誌にも寄稿する半分プロのような書き手である。彼女たちの実力はすでに証明されているが、改めて一時間で書きあげたあの掌編に感嘆した。そこで、体感的に可能らしい一時間で千字程度の掌編を書き上げて朗読するという試みを続けることで小説を書く底力をつけようというのが大きな目的である。幸運にもこの試みに、BFC3、4ファイターで『阿波しらさぎ文学賞』で「文学協会賞」「徳島新聞賞」も受賞されている宮月中さん、げんなりさんが参加を表明してくれた。実際に始めると、さらに香川菊池寛賞を受賞され、BFC3ファイターでもある瀬戸千歳さんの四人で掌編を書くことができた。雑談からテーマを「迷子」と決めて一時間、素晴らしい作品たちができて、それぞれの書き方などを知る機会にもなり、大変有意義な時間を過ごせた。彼らの掌編はnoteにアップされているので読んでみてほしい。ちなみにわたしは「歩道」という掌編を書いた。作品はここで上げているので、気になったら読んでもらえるとありがたい。今後も続けていきたいと思う。

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